たまには心温まる話を!タモリの恩返し
- 社長の大学★長谷川博之
- 2023年7月25日
- 読了時間: 4分

誰しもが子どもの頃、「鶴の恩返し」という民話を聞かされたことがあると思う。
心温まる話だが民話だから実話ではない。そこで今日は、恩返しについてわかりやすく解説する。
鶴の恩返しは一般に、「翁が罠にかかった鶴を助け、その鶴が人間の女性に姿を変えて翁とその妻に恩を返す」という筋立てが知られている。類似する話は日本各地で報告されている。ただし、いろいろなパターンがあり、「鶴を助けた人物が翁ではなく若者」「その若者と人間に化けた鶴が世帯を持つ異類婚姻譚」「老夫婦ではなくて、老爺の一人暮らし」「鶴は買ってきた糸でなく、自分の羽毛で機を織り、そのせいで日に日に痩せ細る娘を見かね、怪訝に思った翁が、機織りの部屋を覗く」「娘が鶴に戻り若者の元を去った後、若者は自分の行いを悔やんで僧となる」など、諸説ある。
鶴の恩返しは民話ではあるが、当然、人間の世界にも恩返しはある。
恩返しとは「受けた恩に報いること、報恩」である。その一方で、「恩を仇で返す」という諺がある。意味は、「施しや慈しみ(=恩義)を受けた相手に対して恩返しせず、逆に相手を害するようなこと(=仇)を与える様子を指す。」とある。
これも人間の世界にはよくあることだ。
恩というのは数値化できるものではないので、恩を施した人と恩を受けた人の間には温度差がある。一方が恩だと思っていても、もう一方は恩だとは思っていないことも起こりうる。
恩返しで思い出すのが、タモリと赤塚不二夫の関係だ。
ご存知の通り、タモリは人気タレント、赤塚不二夫は人気漫画家だった。タモリは赤塚不二夫が育てたと言っても過言ではない。このようなエピソードが残っている。
赤塚先生は、毎晩、編集者たちを引き連れ、飲み歩いては、新宿の『アイラ』というバーでタモリと合流する。キャバレーの噴水から、裸のタモリがイグアナの真似で出てきたり、新しい遊びを考えるのが日課でした。そんなある晩、赤塚がタモリに絡み始めた。
「お前、売れ出したと思っていい気になるなよ」。
タモリも色をなし「そんな言い方ないだろ、売れない漫画家に言われたくないよ」とやり返す。周りが必死に止めるが、手にした水割りをぶっかけ、ついには取っ組み合いに。タモリを羽交い絞めにして鼻の穴に落花生を詰め込む赤塚。すると今度はタモリがグリーンアスパラにマヨネーズをつけて赤塚の鼻に突っ込む…。
ようやく我々も『あれ?おかしいな』と気づく。
要は、2人で綿密に仕組んだギャグだったわけです。
赤塚先生の持論は『バカなことは本気でやらないとダメ』。
遊びの時に気を抜くと、『ふざけるな!真面目にやれよ』と叱られる(笑)」。上京してまもないタモリに、赤塚さんは自分が住んでいた目白の高級マンションを明け渡し、自分は木造2階建ての仕事場で寝泊りしていたといいます。
その理由はというと…。
「タモリは今まで会ったことのない、ものすごい才能だ。ああいう都会的でしゃれたギャグをやる奴は、贅沢させないと。貧しい下積みなんかさせちゃダメだ」。
その10年後。仕事場を訪ねた担当者に、赤塚さんは1通の通帳を見せました。
『タモリがさあ、自分の会社の顧問になってくれって言うんだよ』。そこには毎月30万円ほどの決まった額が振り込まれていました。当時、先生は連載がひとつもなくなって、不遇の時期だったんです。
またタモリは『先生、あのベンツ乗らないでしょ。1千万円で譲ってよ』『キャンピングカー、500万で譲って』と言っては、代金を払ったといいます。先生のプライドを傷つけない気遣いなんです」。むろん赤塚もその思いを察していた。『タモリの会社なんてホントはあるのかどうかもわからないしさ、ああやって俺のこと助けてくれてるんだろうな』と言っていました。
いい話だなと思って、通帳をよくみると、1銭も使っていない。
『そりゃそうだよ。芸人なんて2年で飽きられるだろ。そうなったらこの金で俺がタモリを喰わせてやるんだ』と。赤塚先生が一枚上手だった。
心温まる、いい話だ。こんな人間関係に憧れる。
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