経験は時として有利に働き、時として不利に働きます。 そこで今日は、経験が足を引っ張る証拠をわかりやすく解説します。
人間誰しも長い間、同じ業種や職種の仕事をしていれば、豊かな経験を積むことができます。そして、その経験があるからこそ、より速く、より確実に仕事をすることができます。また、トラブルが起こったり、難題が起こった場合も、経験が豊かであれば短時間で解決することが可能です。 ですから、ベテランの経験や 知恵は会社にとって大変な資産になります。
私はコンサルタントとして独立して、早20年が経ちました。 正確には、独立前まだ会社員だった頃から複業で販売促進コンサルタントをやっていたので、かれこれ30年になります。ですから、コンサルタント業界の慣習もわかりますし、仕事のやり方もわかります。
これはコンサルタントだけではありませんが、慣れてくれば無意識のうちに仕事を進めることができますし、クライアント先の会社に足を踏み入れた瞬間に、売上や社風などがわかります。これができるのは、すべて経験のなせる技です。
ですが、この経験が手かせ足かせになる場合があります。
特に激変の時代である今、経験は無力であり、むしろ邪魔になる可能性が大です。言い方は悪いですが、経験=過去の遺物という捉え方もできます。恐ろしい時代になりました。
岬龍一郎さんの「いい言葉は、いい仕事をつくる 成功する人はいつも気高い言葉の灯をともしている」という著書から、経験のデメリットを紹介します。
ある自動車メーカーの海外工場では、熟練工が1日2台の車を作っていました。売れ行き好調だったため、改善を重ねて1日8台作る体制にしたところ、熟練工たちの多くが「1日2台でも精一杯なのに、8台も作ったら体を壊してしまう」と、やる前からおよび腰になり、退職者が相次ぎました。
仕方なく車作りの未経験者を雇い、標準作業を作ってやったところ、8台つくってもケロリとしていたという話があります。本来できるはずのことでさえも、過去の経験や先入観が、「できない」「不可能だ」と思い込ませた典型的な例です。
20世紀初頭、ベルトコンベアによる大量生産方式を導入して自動車産業に革命をもたらしたヘンリー・フォードは、伝統を廃して、新しいことに挑戦し続けた人物です。フォードは、新しい仕事を始める時、その仕事についての先入観がなく、「経験に照らして不可能です」と言わない人に指揮を任せるのが常でした。
たとえば、自動車に使う板ガラスは、長年伝統的な手作業でつくられいましたが、フォ ードは大きな帯板(おびいた)の中で連続的に板ガラスを作れると考えました。ガラスの専門家は 「過去に試みたが、実現は不可能だ!」と声をそろえて反対しました。
そこでフォードはガラス工場で働いた経験のない人たちにこの課題を与えたところ、多くの問題や障害はあったものの、見事に乗り越えて目標を達成しました。 フォードは、熟練工の経験が必要な時は助けを求めたましたが、決して熟練工に指揮を任せることはなかったといいます。
なぜならば、彼らは「できない」ことをあまりに多く知りすぎており、「それはできません」と断定してしまうからです…。
経験による先入観や固定観念を壊すには…
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●新しい技術を使う
●まったく違う分野の異業種の人と協業する
●違う世代の人と接する
●素人(子ども)のように考える
●多様性(ダイバーシティ)を認める
●付き合う人や環境を変えてみる
●様々なジャンルの本を読む
●海外等の異文化に触れる
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この8つが有効です。
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