ここ1~2年、営業部の立て直しに関するコンサルティングの依頼が激増しました。
昭和の営業を引きずり、営業部が硬直化しているのが特徴です。老舗企業に見られる現象です。そこで今日は、短期間で営業成績を伸ばす方法についてわかりやすく解説します。
最近「営業のDX化」が声高に叫ばれています。
これは、「MA(マーケティング・オートメーション)」「SFA(セールス・フォース・オートメーション)」「CRM(カスタマー・リレーションシップ・マネジメント)」などを導入することが第一歩となります。
それに伴い、営業の分業化を推進します。
新規見込客の集客から既存顧客のリピート化までのプロセスを、「マーケティング(新規見込客の集客・育成・案件化)」「セールス(商談・契約)」「リピート促進」の3つに分けて、それぞれのプロセスだけをおこなう専任者がいます。
工場の製造ラインのように、材料の加工から完成品に至るまでにはいくつもの工程があり、それぞれの工程にはそれぞれに専任者がいます。これと同じです。
昭和の営業は、すべてのプロセスや工程をひとりの営業マンがおこなっていましたが、これでは一人前になるのに莫大な時間を要します。また、一人前にならずに離職する人もいます。そう考えると職人を育成するようなもので、企業側もリスキーですし、営業という仕事はハードルの高い職種になってしまいます。その結果、営業マンを募集しても応募がないということになります…。
先日購入した麻野耕司さんの著書「NEW SALES 新時代の営業に必要な7つの原則」という本に興味深いデータが掲載されていました。以前からブログやメルマガでも紹介していましたが、営業マンの成績を伸ばす一番簡単な方法は、有効営業時間を増やすことです。有効営業時間とは、顧客への直接的な営業活動のことです。つまり、受注に直結する営業活動のことです。
たとえば、「アポ取り」「案件化」「商談」などです。
これらに費やす時間を増やせば、必然的に営業成績は伸びます。当たり前の話です。有効営業時間を50%近くに引き上げて、某保険会社のトップ営業マンになった人もいます。その人によると、移動時間、提案書や見積書作成などがあるから、50%以上は難しいとのことでした…。令和の営業では、仕事の時間配分も記録することで、営業成績をどうしたら伸ばすことができるのかを分析します。
さて、興味深いデータというのは、世界的コンサル会社「マッキンゼー」が公開している「日本の営業生産性はなぜ低いのか」というレポートです。これには、日本の典型的なBtoB営業の時間配分のデータが掲載されています。
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■顧客への営業活動…10~25%
■顧客関連の活動(提案書・見積書作成)…55%
■営業活動ではない社内業務…20~35%
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このように、顧客への営業活動、つまり有効営業時間はわずか10~25%なのです。
このレポートには、理想の時間配分も掲載されており、
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■顧客への営業活動…50~55%
■顧客関連の活動(提案書・見積書作成)…35%
■営業活動ではない社内業務…10~15%
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あくまでも理想的ではありますが、日本の営業活動に於ける時間配分は、有効営業時間以外のことが多過ぎるということなのです。
その理由として、
①営業マン個人に委ねられる「提案書」「企画書」「販促チラシ」などの作成業務
②営業ノウハウがシェアされない
③営業データを記録していない
④再現性がない営業
⑤属人化
以上の5つがあげられます。
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