新型コロナウイルスは、経済に大打撃を与え続けているわけですが、同じような商品を製造しているにも関わらず、一方は注文が殺到、もう一方は破産申請…。
こんなことがあっていいものかと思いましたが、これも時代の流れと捉えるのか、それとも…。
そこで今日は、新型コロナウイルスの影響で明暗を分けた原因をわかりやすく解説します。
フランスの強化ガラスを使った食器メーカー「Duralex(デュラレックス)」は、ヨーロッパの家庭の食器棚に必ずひとつはあると言われています。 実は我が家でも15年程前から使っています。 晩酌の際は必ずデラレックスのグラスを使っています。
日本では1960年ごろにデュラレックスの輸入ブームがあり、普及したようです。
とにかく丈夫で、ちょっとやそっとじゃ割れません。
ですから、買い替えの頻度は長いことが予想されます。
また、生産の8割が輸出向けだったようですが、いずれにせよフランス国外ではグラスの定番だったようです。
似たような名前の調理器具メーカーに「Pyrex(パイレックス)」があります。 こちらは耐熱強化ガラスの商標で、オーブンでも使用できる調理器具兼食器で、一般家庭用をメインにしています。 パイレックスの製品は購入したことはありませんが、名前は聞いたことがあります。 正確にいえば違いますが、調理器具や食器という点では、デュラレックスもパイレックスも似ているメーカーです。 今回のコロナ禍で、デュラレックスは破産申請しました。 そして、パイレックスはむしろ注文が殺到して大忙しのようです。
ただし、デュラレックスは6ヶ月限定で企業再生手続きを模索しているようで、フランス政府もデュラレックスの重要さは分かっているので、支援策を取ると言っています…。
さて、デュラレックスとパイレックスの明暗を分けた原因は何だったのでしょうか?
実は、デュラレックスはBtoB、パイレックスはBtoCなのです。 デュラレックスは衝撃に強く、食洗機や温かい飲み物まで耐える強化ガラス製です。 そして、業務用食器も多く製造していました。 一方、パイレックスはオーブンでも使える調理器具兼食器で、一般家庭用の製品が多かったのです。
これが明暗を分けた大きな原因です。
つまり、デュラレックスの顧客は、飲食店や飲食店に食器を販売する卸売です。 ご存知のように、飲食店は新型コロナウイルスの感染拡大で、休業や営業時間の短縮を余儀なくされました。 また、これだけ長く新型コロナウイルスの影響が続いていては、どうしようもありません。
ただし、経営難は数年前からで、イタリアやトルコの企業の手に渡ったりもしているようです。 また、卸先からの支払が相当滞ってるようです…。
ところがパイレックスは、一般家庭向けですからコロナ禍で注文が殺到して、生産が追いつかないのです。
理由は簡単で、家で料理する人が増えたからです。
この事例から学ぶことは、コロナ禍では「BtoB」と「BtoC」が明暗を分けたということです。 食器や調理器具市場以外でも、BtoBは業績ダウン、BtoCは業績アップまたは現状維持という傾向がみられた業界もありました。 たとえば、建築業界です。 工場、倉庫、事務所の修繕やリフォームは激減しましたが、一般住宅の修繕やリフォームは業績がアップしたという企業もありました。
背中を押したのが、1人10万円支給された給付金です。 これで、住宅の修繕などを行った人も多くいました…。
概ね、BtoCの方が不景気には強いようです。 ●株式会社リンケージM.Iコンサルティングのオフィシャルメルマガの登録はこちら。
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