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執筆者の写真社長の大学★長谷川博之

これが経営判断を狂わせる!

投資は、いくつかあります。

代表的なものに、「株式」「債券」「商品」「不動産」「為替」などがあります。 いずれも、ポピュラーな投資方法です。 まったく投資に興味のない人でも、一度は聞いたことのある言葉だと思います。

株式投資で「見切り千両」という格言があります。

見切り千両とは、ある株式銘柄を買って、保有するのですが、買った時点から株価が下降していくと、含み損といって自分の資産が減少していきます…。

その時、株価の上昇を期待して株を保有し続けると、含み損が増えていきますので、含み損が少ないうちに損切りして保有銘柄を手放すべきだという株式取り引きでの教訓のことが見切り千両です。

人間の心理というものは難しいもので、株価が上昇している時はなかなか利益を確定できず、逆に下降していくときは反転を期待して保有し続け、損切りができない状態に陥ってしまいます。

損ということに変わりはありませんが、損切りによって更なる大損が避けられるのであれば、その行動に千両の価値があるといった意味合いもあるでしょう。

頭では理解できても、いざ行動に移せる人は少なのいのかもしれません。

これは、株式投資の世界だけでなく、私たちの生活全般で起こります。 たとえば、新規事業。新規事業を始めたのはいいが、なかなか採算ベースにもっていけないことがあります。

あなたが経営者ならば、このような時、どのような意思決定をするでしょうか? いろいろな選択肢がありますが、「あと◯ヶ月で採算ベースにもっていけなければ撤退する…」「あと◯◯◯百万円投資して採算ベースにもっていけなければ撤退する…」など、撤退の基準を明確にする経営者もいるでしょうが、ズルズルと撤退の意思決定ができずに赤字を垂れ流す経営者もいます。 あなたはどちらでしょうか?

後者の、撤退の意思決定ができない経営者の心理は、「◯◯◯◯千万円も投資したのだから、ここで撤退するのはもったいない…」「これだけ努力したのだから、もう少しがんばれば必ず報われる…」などです。

これを「サンクスコスト」と言います。

たとえば、私たちもよく経験する飲食店の行列を考えてみましょう。 人気の飲食店は長蛇の列ができます。

行列を見て、ものすごく時間がかかりそうだと判断できれば、この店はやめて別の店にしようと意思決定できます。 ですが、一旦行列に並んでしまい、10分、20分、30分と並んでしまうと、「せっかく並んだんだから、もう少し並ぼう」という意思決定をしてしまいます。 理由は、今まで並んだ時間が無駄になるからです…。 この今まで並んだ時間がサンクスコストというわけです。

このようなことは、日常生活のあらゆる場面で起こります。 自分の仕事に役立つと思って購入した本であっても、半分読んでみたら役に立ちそうもありません。

ですが、本の購入代金と半分読んだ時間を考えると、この段階で読むのを中止することができなくなり、つい最後まで読んでしまいます。

そして、サンクスコストの事例で一番有名なのは、超音速旅客機のコンコルドの開発です。これは、「コンコルドの誤謬(ごびゅう)」と呼ばれています。 イギリスとフランスの共同開発でスタートしたコンコルドは、早い段階で採算がとれないことに気づいていました。 それなのに、巨額な資金が投入され続けました。 理由は、両国の面目を保つためにです。

また、ベトナム戦争が長引いたのも、大勢の戦士の命を犠牲にしてきたから、ここで戦争をやめるのは誤りであるという心理が働いたからです…。


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