あなたは、「レンタルなんもしない人」というサービスをご存知でしょうか?
レンタルなんもしない人とは、「1人で入りにくい店」「ゲームの人数合わせ」「花見の場所とり」など、ただ1人分の人間の存在だけが必要なシーンで利用できます。
料金体系は、国分寺駅からの交通費と飲食代だけ(かかれば)です。
また、ごく簡単なうけこたえ以外なんもできかねますと…。
ということは、基本的なサービスは、ただその場に居るだけということになります。
意味不明ですが…。
レンタルなんもしない人を始めた人は、森本祥司さん、35歳です。
既婚者で一児の父親ということなので、全然儲からないことをやっている余裕はないと思
ったのですが…。
そもそも、交通費と飲食代のみで、サービスの対価は発生していません。
ですから、収入はゼロということになります。
森本さんは、貯蓄を崩しながらレンタルなんもシない人を続けている、とっても不思議な人なのです。
そもそも、レンタルなんもしない人を始めるきっかけは、ある日SNSで、人の奢りだけで生計を立てている「プロ奢ラレヤー」という人物の存在を知り、人間は働いてお金を稼がなければ生きていけないという社会の常識にとらわれず、なんもしなくて生きていけるのかと感じたそうです。
レンタルなんもしない人は、これを実証するための実験の場と考えつつ、なんもしない自分を貸し出すというサービスを思いついたとのことです…。
開始からわずか1年で、「レンタルなんもしない人のなんもしなかった話(晶文社)」「〈レンタルなんもしない人〉というサービスをはじめます。(河出書房新社)」の2冊が書籍化させました。
そのほか、週刊モーニングでのマンガ化り、バラエティーやラジオ番組の出演、NHKの「ドキュメント72時間」での密着取材など、メディアに引っ張りだこです。
では、具体的にどのような依頼があるのでしょうか?
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今度10年住んだ東京を離れて、地元の大阪に引っ越しするのですが、
もし空いていたら「友人の見送り」をレンタルしたいです。
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「自分に関わる裁判の傍聴席に座ってほしい」との依頼。
民事裁判で、依頼者は被告側。名誉毀損で訴えられていた。
初裁判の心細さというより、終わって一息つく時の話し相手が欲しい
との思いで依頼に至ったらしい。
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「ピアノの練習をしてる間、ただ居てほしい」という依頼で
音大の練習室へ。
何時間も弾いていると気が狂いそうになるらしく、
人がいることで集中力を保てるとのこと。
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「主人の職場に息子のお披露目に行くが、
子連れでの電車移動にまだ不安があるので同行してほしい」という依頼。
無事職場にたどりつくのを見届けた。
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このほかにも、「痔の手術への同行」「医師国家試験の合格発表見届け」「男性1人では入りにくいかわいいクレープ屋に行きたい」「好きなアニメのDVDを一緒に見てほしい」「病院のお見舞い」「試験勉強や片付けに集中するためにただいてほしい」など、1日に約20件の依頼が届き、1ヶ月先くらいまでの間で日程を調整します。
ほぼ毎日3~4件の依頼をこなしているそうです。
そして、依頼主の許可がおりれば、Twitterに依頼内容を上げたり、気が向いたときには感想をつぶやいています。
タイムラインには、様々な人が心の片隅に抱えている願望や悩み、人間模様を垣間見ることができます。
もしかしたら、どこに頼んだらいいのかわからないというニーズの宝庫かもしれません。
今では約22万7000人のフォロワーがいます。
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