日本社会では、「男女格差」や「男尊女卑」の問題を避けては通れません。
今でこそ「男女雇用均等法」がありますが、それ以前はあらゆるシーンで男女格差が当たり前にありました。そこで今日は、男女の賃金格差についてわかりやすく解説します。
日本の経営者のうち、女性経営者はわずか8.1%に過ぎません。
帝国データバンクは自社データベースをもとに、全国約117万社の事業会社を対象に女性が社長を務める企業について分析を行いました。
それによると、2021年4月時点における女性社長の割合は、前年比を0.1ポイント上回り8.1%となりました。2年ぶりに上昇して、過去最高を更新しました。
女性社長比率を業歴別でみると、企業が設立されてから「10年未満」が11.1%でトップ、次いで「10~19年」が9.5%、「20~29年」が8.3%で続き、業歴が浅い企業で女性社長比率が高い傾向がみられます。と言っても女性社長はわずか8.1%に過ぎず、91.9%は男性経営者ということです。
では、諸外国の経営者の男女比はどうなのでしょうか?
太陽グラントソントンか2018年11月に実施した非上場企業を中心とする中堅企業経営者の意識調査があります。この調査は、グラントソントン加盟主要35ヶ国が実施する世界同時調査の一環です。その結果よれば、日本の経営幹部の女性比率はわずか15%だということがわかりました。
この調査をまとめると…
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■日本の中堅企業の「経営幹部の女性比率」は15% 最下位ながら前回から大きく改善された
■日本の中堅企業の半数で経営幹部に女性不在
■世界35ヶ国の「経営幹部の女性比率」の平均は
前回比5ポイント増の29%と上昇傾向にある
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このように女性経営者から女性幹部に範囲を広げると、8.1%から15%へと増えますが、諸外国とは比較するレベルまでいっていません。参考までに、経営幹部の女性比率のランキングは…
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1位 ニュージーランド…44%
2位 オーストラリア……42%
3位 ナイジェリア………38%
4位 ボツワナ……………38%
5位 フィリピン…………37%
5位 ベトナム……………37%
7位 ドイツ………………36%
8位 アイランド…………35%
9位 トルコ………………34%
9位 ロシア………………34%
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となっています。
さて、本題に入ります。
日本の女性の賃金は、男性の賃金を100とした場合、2020年の時点で77.5しかなく、18年前(2002年)のアメリカの77.9より低い賃金なのです。G7ではワースト1位を独走し続け、OECD37ヶ国では35位と低位(2020年)です。
しかも、37ヶ国平均より12.3%も低賃金です。
日本は女性への激しい賃金差別を長年に渡り続けているのが現実です。これが現実です。
世界を見渡せば、女性首相や女性大臣がごく当たり前のように誕生しています。
日本の場合は、世界との男女格差を指摘され、ようやく重い腰を上げているといった感じです。
大企業は人材が豊富なので、女性の登用も容易ですが、中小企業の場合は、そもそも女性の社員比率が低い業界もあり、難しいというのが現実です。同じく賃金格差の問題も、試行錯誤が必要なんだと思います…。
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