値引きや割引を要請されて、つい受け入れてしまった…。 営業マンであれば、ほとんどの人が経験したことがあるだろう。しかし、わずかな値引きが利益に大きな影響を与える。そこで今日は、値引きや割引をしてはいけない理由をわかりやすく解説する。
たいした値引きではないと思っても、それが大変なことになる場合がある。 たとえば、売価が1,000円のボールペンを600円で仕入れて、年間100本売っているとする。固定費は30,000円の場合、利益はいくらだろうか?
売上が1,000×100=100,000円。 仕入が600×100=60,000円。差引の粗利が100,000円-60,000円=40,000円だ。 そして、粗利の40,000円から固定費の30,000円を差し引いた10,000円が利益額となる。
ところが、顧客からの要請で、売値が1,000円だったボールペンを5%値引きして売ることにした。この場合、利益は何%減るだろうか?以下の三択のうち正解はどれだろうか。
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①5%値引きしたら、利益も5%減る
②5%値引きしたら、利益は30%減る
③5%値引きしたら、利益は50%減る
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正解は、「③5%値引きしたら、利益が50%減る」だ。
驚いた人もいるかもしれないが、これが現実だ。
5%の値引きの結果、ボールペン1本の販売価格は1,000円×95%=950円。
売上は950×100=95,000円になる。仕入は変わらないので600×100=60,000円。
差引の粗利が95,000円-60,000円=35,000円。粗利の35,000円から、固定費の30,000円を差し引いた5,000円が利益だ。そして、元々の利益が10,000円から5,000円に減っているため「5%値引きしたら、利益が50%減る」という結論になる。恐ろしい話だ。
そのほかにも、値引きをしたり、割引をしてはいけない理由はいくつかわる。
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1.利益が減ると、販売量を多くしなければいけない。結果、労働時間が長くる。
2.利益が減ると、給料やボーナスが減る。
3.利益が減ると、安い原材料を使うため品質が下がる。
4.利益が減ると、品質管理コストを減らすため、不良品が増えたる。
5.利益が減ると、SDGsや環境保全にかけるコストが減り、環境に負荷をかける。
6.利益が減ると、販売価格が安くなり価格競争が起こり疲弊する。
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このように、値引きや割引は、どう考えても百害あって一利なしというのが本当のところです。そもそも、品質の高い商品やサービスはコストがかかります。ここを履き違えてはいけません。粗悪な商品を高額で販売するのはやってはいけないことですが、良質な商品を低額で販売するのもやってはいけないことです。顧客は安い方が喜ぶというのは幻想です。
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