ところ変われば、価値観は大きく変わります。
先日、日本講演新聞に興味深い記事が載っていました。 その記事は、スウェーデンの新型コロナウイルス対策です。 スウェーデンの新型コロナウイルス感染者の死者は日本の70倍です。 ですが、医療崩壊は起きていません。 日本では、感染対策の的確さとスピードに於いて後手後手に回ったということから、政権支持率は下降しました。 世界的に見れば、死者数は大変少ない状況にも関わらずにです…。
では、なぜ日本の70倍もの死者数のスウェーデンでは、政権を支持している人が多いのでしょうか?
スウェーデンで死者数が多い原因は、新型コロナウイルスに感染した高齢者は、亡くなっても仕方ないという考えです。 ですから、若い人優先で治療が行われるというのです。 もし、日本でこのようなことを言う人がいたら相当非難されるでしょう。 ですが、スウェーデンではこの考えを受け入れているのです。これが価値観の違いです。
はたまた、台湾のように徹底的に新型コロナウイルスを封じ込めた国もあります。 日本では、台湾の感染対策の方が確実に支持されるでしょう。ところ変われば生死感も違うということです。
イタリアでは、アパレルなどのお店に入店するのは、購入意思の高い人です。 一方、日本ではお店に入店するのは、購入意思の高い人も、冷やかし客もいます。 このような事例は枚挙に暇(いとま)がありません。
もう亡くなりましたが、世界的に活躍したモデルの「山口小夜子」さんは、大変エキゾチックな顔立ちですが、日本人の美的価値観からすれば、正統派の美人ではありません。 ですが、ヨーロッパで熱狂的に支持され、「SAYOKOマネキン」というマネキン人形が欧米のブティックを席巻しました。 まさに逆輸入てす。
シンセサイザー奏者の冨田勲さんもそうです。
シンセサイザーを使った独自のサウンドは、「クラシックでもポピュラーミュージックでもなく、レコード店の棚に置く場所がない」などの営業的な理由で、日本のレコード会社に持ち込みましたがすべて断られました。
そして、アメリカのレコード会社に売り込んで、1975年1月18日付けのビルボード全米クラシカル・チャートで第2位にランキングしました。 その後、逆輸入というかたちで、日本でも有名になったのです。 日本ではまったく評価されず、海外でから火がついた人は数多くいます。
もし、あなたが何かにチャレンジしていて、今ひとつ目が出ない…、評価されないようだったら、拠点を海外に移すのもひとつの方法です。 これは、「商品」「サービス」「技術」「ノウハウ」でも同じです。 日本で散々乗り回されたトラックでも、海外で高値で取り引きされます。 ですが、日本では用なしなのです…。
これだけグローバルな時代なのですから、日本国内で日本人だけをターゲットにビジネス展開する必要は、これっぽっちもありません! ターゲットを変えるだけで、商品が売れ始めるのはよくあることです。
たとえば、ごく一般的な幕の内弁当を販売しても、競合が多く、価格競争に巻き込まれるのがオチです。 ですが、「会議専門のお弁当」「野外イベント専門のお弁当」であれば訴求力がぐっと増します。 結果、ウリが明確になり、ターゲットにメッセージが的確に届きます。 ですから売れるのです。
せっかく開発した商品やサービスが売れないと嘆くのではなく、「ターゲットを変える」「ターゲットを絞り込む」「販売地域を変える」など、可能性を探ってください! 諦めるのが早い企業が多いようです。 ただし、諦めなければ良いということではありません…。
商品、サービス、技術の販売を継続するかしないかは、経営者のとても大切な仕事です。 新規事業などでは、このような判断を迫られることは珍しいことではありません。 ただひとつ言えることは、撤退する基準を明確にしておくことは大切です。 そうすることで、ズルズルと赤字を垂れ流すことを防げます。 ●株式会社リンケージM.Iコンサルティングのオフィシャルメルマガの登録はこちら。
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