人間や動物の大きな特徴として、経験を蓄積して、そこからパターンや法則を
見つけ出すことです。
そして、同じようなシチュエーションに遭遇したら、ゼロから判断するのではなく、
経験則から素早く判断します。
この能力によって、意思決定する時間を大幅に短縮できるほか、
脳への負担を軽減させることができます。
つまり、この能力がなければ、毎日がゼロからのスタートということになります。
ですが、この能力はプラスに働くだけでなく、私たちの足を引っ張ることになります。
そこで今日は、経験や思い込みの罠についてわかりやすく解説します。
私たちは、あらゆる事象を決めつけてしまいます。
たとえば、「あの人は、○○な人間だから、何を言っても無駄だ」
「自分は○○な人間だから、○○は苦手だ」などです。
このように感じるのは、過去にそう思わせる出来事に遭遇したからです。
そして、このイメージを変えることは至難です…。
また、文化がそうさせることがあります。
たとえば、母親だから子育てを一生懸命にやらなければいけない、
男性は人前にで涙を見せてはいけないなど、何の根拠がないことに対しても、
子どもの頃からそう言われていたという理由だけで、それを貫こうとします。
逆の言い方をすれば、それ以外の意見を排除してしまうのです。
これを心理学で「一貫性の原理」と言います。
自分の行動に一貫性をもたせたいという心理です。
一貫性の原理が働く理由は、
①こういう時はこう行動するというように自分の行動をパターン化して
一貫性を持たせると面倒な選択の機会を減らすことができます。
②一般的に、発言が二転三転して一貫性がない人は信頼できませんから、
一貫した行動をすれば理性的な人だと思われます。
さらに、自分で決めたことを、最後まで諦めることなく貫くことができないと、
ダメな人間だと思ってしまいます。
また、周囲の人も「挫折した人」とみなす傾向にあります。
これに関しては、脳科学でも解明されていないそうです。
ですが、よく考えてみれば、自分の考えにまったく揺るぎない自信を持っている人は
稀です。人はだれでもブレてしまいます。
昨日までと逆のことを言ってしまったら、つまり一貫性がなくなったら
周囲からはバッシングされます。
政治の世界や芸能界ではよくあることですが、イメージが悪くなります…。
どうやら私たちは一貫性を保持すること=一貫性は善という価値観が
生まれつき備わっているようです。
また、「こうあるべき」「あるべき姿」など、理想の姿やイメージを
ことのほか大切にする人もいます。
あまりにその思いが強過ぎるとそれが正義感に繋がり、
考え方や価値感の違う人を悪として排除することになります。
このように一貫性の法則は、ネガティブな捉え方をすれば融通が利きません。
時代を見渡すと、今は日々変化しています。
むしろ、一貫性の法則が足かせになる場合も多々あります。
コロナ禍で対面営業ができないにも関わらず、
「オンライン商談など本当の商談ではない!」「オンライン商談では伝わらない!」
などと言っていたのでは話になりません。
確かにその通りなのかもしれませんが、これでは環境の変化に適応できません…。
いずれにせよ、「経験」「思い込み」「理想」「ルール」「パターン」などがあるために、
私たちはそれを盲目的に信じて行動してしまいます。
何も考える必要がないので大変に楽です。
ですが、「経験」「思い込み」「理想」「ルール」「パターン」が通用しないのが、
今という時代です。
●株式会社リンケージM.Iコンサルティングのオフィシャルメルマガの登録はこちら。
https://www.linkagemic.com/mailmagazine
●YouTube「商いは門門チャンネル」の登録はこちら。
https://www.youtube.com/channel/UCPtBCiFhkj1lkaurZsoz64g/?sub_confirmation=1
●社長の大学LINE公式アカウント! 経営に関する質問ができます! フォローはこちら!
https://lin.ee/11jNwF3be
Comments