世の中、間違ったことが常識として共同幻想になったいることがある。
また、当たり前だと思っていた因果関係が真逆だということもある。そこで今日は、チームワークに関する間違った常識についてわかりやすく解説する。
経営者であれば、活発で強い組織にしたいと言う人がほとんどだ。
「企業は人なり」と言われるように、どのような組織形態で、どのような人材配置をして、どのように組織運営をしていくのかで、業績が決まると言っても過言ではないからだ。
また、団体スポーツでは企業以上に組織のことが重視される。
たとえば、「サッカー」「ラグビー」「野球」「バスケットボール」「アイスホッケー」などが代表的なものだ。この中で野球は静的なスポーツだが、それ以外は常に動き回っており、即座に意思決定を求められるスポーツだ。つまり、ほぼ即興で判断する。
そういった意味では、常に組織の問題はついてまわる。
いわゆる「チームワーク」と言われるが、メンバーを一人入れ替えただけで、それまでの動きが嘘のように効果的に動き出すことがある。ここが組織のおもしろいところだ。
参考までにチームワークとは、複数の人々が協力し合って共同で目標を達成するために行う活動や作業のことで、個々のメンバーのスキルや知識を組み合わせ、相互に協力して目標達成を目指すことで、効率的かつ効果的な成果を生み出すことができる。
経営の常識として信じられているのが「よいチームをつくれば、よい仕事ができる」という考えだ。一見、正しいように思う。恐らく100人の経営者がいれば、99人はその通りだと言うだろう。しかし、この説は本当だろうか?
ここで思い出したのが「ジャズ」だ。
ジャズは即興を重視した音楽だ。譜面にはメロディとコードだけが書いてある。クラシックの譜面のように何を弾いたらいいのかが一音一音書いていない。さらに、クラシックには指揮者がいてオーケストラの演奏をコントロールする。
会社組織に置き換えれば、経営者が方向性を示して、従業員に指示を出すことに似ている。
この場合、組織に必要なのはチームワークというより、いかにして指揮者の指示に対して忠実に演奏できるかがポイントだ。
一方、ジャズは指揮者はいない。
そして、譜面には何を弾いたらいいのか一音一音記されていない。演奏の95%以上は即興だ。つまり、その場で何を演奏するのかがリアルタイムで決められていく。このような場合、高度なチームワークが必要になる。
自分の好きなフレーズを演奏すればいいというものではなく、メンバーが何を弾いているのかわからないと即座に反応することができない。そしなければ、ジャズという音楽は成り立たなくなる。そういう音楽だから必然的にチームワークは良くなる。
チームワークが良いから、良い演奏ができるのではなく、チームワークを必要とする音楽を演奏しているからチームワークが良くなるというのが本当のところだ。つまり、企業に於いてチームワークを高めるには、チームワークを必要とされるような仕事をすればいいということになる。
先日、LinkedInで、楽天大学学長の仲山進也さんが、「よいチームをつくればよい仕事ができるのではなく、よい仕事をつくればよいチームができる」という内容を投稿していた。目から鱗だった。ほとんどの経営者が当たり前だと思っている「よいチームをつくれば、よい仕事ができる」は、因果関係が逆なのだ。
真実は、「よい仕事をつくれば、よいチームができる」だ。
つまり、よい仕事とは、協力せざるを得ない環境、協力せざるを得ない状況、協力せざるを得ない条件を満たした仕事だ。具体的には、「経済的制約」「時間的制約」「肉体的制約」「頭脳的制約」「精神的制約」の5つがあるという。
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