あくまでも私の感覚だが、年々、経営課題が増えているような気がする。
もしかしたら、そう感じているのは私だけではないかもしれない。経営課題を発見するのは経営者の仕事のひとつだ。そこで今日は、最近の経営課題についてわかりやすく解説する。
ChatDPTで「日本の中小企業の経営課題を教えてください」と質問すると、「資金調達の困難」「競争力の弱さ」「従業員の不足」「経営の不安定性」「グローバル化への困難」の5つだった。間違いではない。
中小企業の場合、いずれも従業員が考えることではなく経営者しか考えられない。
大企業ならば、それぞれ専任の取締役や執行役員がいる。このような現状を知る度に、中小企業の経営者の仕事が激務であることがわかる。
私もその中の一人ではあるが、正直なところ何も手がつけられず、何年も進展のない課題もある。何年も進展がなくても何とかなっているので、それは本当に課題なのかとも言えるが、中期的に考えると立派な課題だ。
大同生命保険株式会社が発表している「中小企業経営者アンケート大同生命サーベイ」という報告書がある。調査期間は2022年12月1日~12月26日、 調査対象は全国の企業経営者9,238社だ。1万社弱のアンケートなので精度は高い。
これによると、2022年の経営環境が「良かった」と回答した企業は21%(前年差±0pt)、「悪かった」は32%(前年差▲4pt)だ。悪かったが前年に比べ増えている。2022年の経営環境が良かったと回答した企業が注力した経営課題は、「新規顧客(販路)の開拓」「従業員の育成強化」「新商品・サービスの提供」「コストの削減」「新たな事業の開始」がベスト5だ。
そして、2023年に取り組みたい経営課題として、「新規顧客(販路)の開拓」「人材の確保」「人材の育成」「仕入・原材料費の見直し」「新商品・サービス・事業の開発」がベスト5だ。昨年も、今年も、第1位は「新規顧客(販路)の開拓」ということになる。これは、売上と利益の向上を狙うということだ。
参考までに、2022年で最も印象に残っている本も掲載されていたので紹介しよう。
1位…80歳の壁(和田秀樹)
2位…人は話し方が9割(永松茂久)
3位…生き方(稲盛和夫)
4位…経営12カ条 経営者として貫くべきこと(稲盛和夫)
同志少女よ、敵を撃て(逢坂冬馬)
6位…嫌われた監督 落合博満は中日をどう変えたのか (鈴木忠平)
三千円の使いかた(原田ひ香)
ジェイソン流 お金の増やし方(厚切りジェイソン)
FACTFULNESS(ファクトフルネス) 10の思い込みを乗り越え
データを基に世界を正しく見る習慣(ハンス・ロスリング)
10位…大名倒産(浅田次郎)
日本国紀(百田尚樹)
だった。
経営者がどのような本に興味があるのかが見て取れる。
さて、経営課題だが、先程紹介したベスト5以外にも山積みだ。
たとえば、社員の働きやすい環境づくり、健康経営、情報セキュリティ対策、人材確保、人材育成、事業承継、後継者育成、BCP、DX、仕事と介護の両立支援、SDGs、インボイス制度、在宅勤務、デジタル化、サステナビリティ、資金繰りなどだ。
これらの課題をじっくりと分析すると、社内のどの部署の誰が担当するのかが明確でないものが多いことに気づく。区分けできない課題は、まずは経営者が考えなければいけない。自分で担当するのが無理ならば、担当部署と担当者を指名して、課題を振るしかない。
しかし、課題を振ったところで本業があるので中途半端になる。
そして、社内にはプロジェクトをいう名の課題解決のため部署を越えて集まった集団が多くなる…。
このように、最近の経営課題は、担当部署不在というものが多くなっている。
結果、経営者が手をつけることになる。これが経営者が激務になる大きな要因だ。つまり、組織内にある部署を社会環境に合わせて、新設したりして再構築する必要がある。
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