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執筆者の写真社長の大学★長谷川博之

中森明菜と小泉今日子に学ぶ革命の起こし方!


1986年8月に発売された中森明菜の『不思議(ふしぎ)』というアルバムをご存知だろうか?中森明菜にとって通算9枚目のアルバムであり、初のセルフプロデュースアルバムだ。そして、「中森明菜、最大の問題作」と言われている。なぜ、問題作なのかといえば、発売後、レコード会社に購入者から「ヴォーカルがよく聞き取れない。不良品ではないのか?」との問い合わせが絶えなかったからだ。そこで今日は、アイドルの革命についてわかりやすく解説する。



私の評価はまったく逆で、中森明菜のほとばしるセンスを感じてひれ伏してしまった…。

それくらい衝撃的なアルバムだった。ヴォーカリストのアルバムなのに、ヴォーカルが聞き取れないというのは、確かに大問題なのだ。



当時のディレクター藤倉克己によると、「不思議」というコンセプトは中森明菜が持ちかけてきたという。彼女は、ヴォーカルも楽器のひとつと位置づけて、サウンドとヴォーカルが一体化した音世界を創り上げた。エコーがかかっているので、何とも不思議な音世界が繰り広げられている。しかも、今聞いてもまったく古臭さを感じさせないから、さらに不思議なのだ。



何でもホラー映画『エクソシスト』にヒントを得たという話もあり、「ホラーファンに聞いてほしい名作」という音楽評論家もいたほどだ。それほどまで、彼女のイメージを忠実に具現したアルバムだ。



気になる売上は、オリコン週間LP&TAPESチャートの1986年8月25日付初登場で、最高順位1位を記録後、3週連続で1位を獲得している。さらに、1986年のオリコン年間アルバムチャートでは15位を記録した。当時の彼女は飛ぶ鳥も落とす勢いで、彼女が右といえば右に、左といえば左に行くほどの影響力があった。事務所もプロデューサーも止めることができなかったらしいが、ヴォーカルが聞こえないアルバムなど、誰が聞いても反対するに決まっている。



さて、話は変わるが、中森明菜と言えば『小泉今日子』を忘れるわけにはいかない。

中森明菜が『不思議』をリリースした9ヶ月前の1985年11月21日、小泉今日子は「なんてったってアイドル」をリリースしている。ご存知の通り、従来のアイドルのイメージを180度変えてしまったアイドル界の革命だった。アイドルが可愛い子ちゃんから脱皮して好きなことをやって思いっきり弾けた感じだった。



ちょうどこの頃、画一的だった既存の価値観や考え方に異を唱える人が様々な分野から登場した時期でもある。哲学、現代思想、科学が話題となり、学者がテレビに出演して人気を博した時期だ。栗本慎一郎、浅田彰、中沢新一など、人気学者が次々と登場した。



中森明菜と小泉今日子の挑戦から学ぶべきビジネス応用のポイントを挙げるとすれば以下の3点だろう。これは、ビジネスでも芸能界でも変わりはない。

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1.革新性

  新しいアイデアやアプローチを恐れず、従来の枠組みに囚われない革新性を追求した。

2.ユニークな価値提供

  自らの独自性を理解し、それを最大限に活かした価値提供を目指す。

3.周囲の意見を気にしない

  周囲の意見を聞いても反対されるのがオチだ。今までにないものは、リリースしてみないとわからないというのが本当のところだ。

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ですから完全なプロダクトアウトということだ。

だからこそ、良い意味で顧客を裏切ることができる。だからこそ、爆発的に売れる。顧客の意見や要望を聞くマーケットインの発想では少しだけ売上が伸びるだけだが、プロダクトアウトは無限の可能性を秘めている。



しかし、無限のリスクも秘めている。つまり、両刃之剣です。

中森明菜と小泉今日子のように、自らの信念を持ち、革新を恐れずに挑戦し続けることが、ビジネスにおいても大きな成功に繋がる鍵であることを彼女たちは教えてくれた。




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