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執筆者の写真社長の大学★長谷川博之

事業承継、後継者問題の事例紹介


私は仕事柄、これまで数多くの社長交代を目にしてきました。

長くコンサルタントをやっていれば、そういう機会も珍しくはありません。社長が交代することは、企業にとっては大きな出来事です。しかし、順風満帆にいくことは珍しいことなのかもしれません。そこで今日は、事業承継や後継者問題の事例をわかりやすく解説します。



中小企業の場合、その多くは経営者の子どもが後継者となります。

稀に女性の子どもしかいない場合は、その配偶者が後継者になる場合もあります。経営者の長男が後継者になる場合が圧倒的に多いのですが、次男が後継者になる場合もあります。



長男だからという理由で、父親の会社を継がなければいけないという法律はありません…。長男には長男のやりたいこともあります。それでは事業承継の事例を紹介します。



長男がまったく会社を継ぐ気がなく、仕方なく社員に打診をしましたが社員もまったく継ぐ気がありません…。このような場合はM&Aを考えざるをえません。しかし、長男が考えを改めて、一転、後継者になるパターンが時々あります。



これと似たようなケースで、長男が東京の一流企業に勤めており、父親の会社を継ぐ気がまったくありませんでした。そこで、父親が体調不良で入院したタイミングに「もう長くはない…」と告げて長男を呼び戻したのです。長男は仕方なくそのまま後継者となり、この会社は大躍進を遂げました。何が幸いするのかわかりません。



会社を継ぐ気のない長男をなんとか説得して後継者に指名したケースのなかには、最悪の結果に終わったものもあります。長男が会社に入社したのは良かったのですが、会社の実情や将来のことを考えると不安でたまらなくなり会社を辞めてしまうケースです。そして、別の企業に就職するパターンです…。



新潟市でも有名な老舗がこれと似たようなケースで廃業しました。

長男はこの会社の常務でしたが、「自分には父親のような才能はない」と言って、会社を継がずに廃業を選択しました。今から考えれば、M&Aという選択肢もあったと思うのですが、あえてそれを選びませんでした。社員が高齢化していたのも、その理由のひとつです。



これよりも深刻な事態に陥るケースもあります。

ずっと後継者不足で悩んでいたある経営者は、長男が社長を継ぐと言うので大変喜んでいました。最初は、社長と長男の人間関係もうまくいっていたのですが、徐々に亀裂が入ります。というのも経営者と長男は40歳程の年齢差があり、今まで働いていた業界は父親の会社とはまったく違う業界でした。



さらに、価値観や考え方もまったく異なることから、徐々に親子の対立が激しくなりました。結局、これも長男が会社を辞めることになったのです…。



次のケースは、長男は父親の会社をスムーズに継ぎました。

しかし、創業者である父親は長男を一人前としては見てくれません。長男は10年近く社長をやり、新規事業を成功させ、それなりの実績もつくりました。それでも父親は心配なのです…。いつまで経っても、長男である社長に口出しをするのです。父親として息子のことが心配なのはよくわかりますが、これでは一人前になれません。これでは、親子の溝は深まります。



最後のケースは、長男は父親の会社を継ぐつもりで、同じ業種の大手企業に勤めました。

数年働いた後、父親の会社を継ぐために戻ってきました。一般社員として2~3年働いた後、社長である父親に引導を渡しました。「社長はもう引退してほしい、俺が社長をやる」と伝え、何回も話し合いを続けようやく説得しました。



そして、長男が社長に就任して、最初にやったことは、父親が採用した古参社員の教育です。古参員は昭和の考え方で仕事をしている人たちで、とても今の時代には適応できなかったからです。残念ながら、数人いた古参社員は離職しました。後継者問題には、ネガティブな話がつきものです…。




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