部下や子どもをはじめとして、他人をやる気にさせることは大変難しいと思っている人は多いようです。
事実、私もそう思っています。他人の気持ちを変えるのは至難です…。 そこで今日は、部下をやる気にさせる方法をわかりやすく解説します。
「馬を水辺につれていけても、水を飲ませることはできない」という言葉があります。 これはイギリスのことわざで、意味は、馬が水を飲むかどうかは馬次第なので、人は他人に対して機会を与えることはできるが、それを実行するかどうかは本人のやる気次第であるという意味です。 つまり、やる気はコントロールできないということです。 それほどまでに、他人のやる気を高めることは難しいということです。
そうは思っても、部下には何とかやる気を出してもらい、積極的に仕事に関わってほしいと思うので上司です。 また、親子関係も同様です。 子どもに勉強をしてほしいのは山々だが、子どもがまったく勉強に興味を示さないし、やる気もない…。
よくある光景です。
私も嫌というほど経験しました。 「勉強がんばろうよ」「わからなかったら教えてやるか」と優しく言ったところで、そう簡単にやる気になってはくれません。 これが現実です。上司と部下の関係も似たようなものです。
大人同士ですから、口では「やる気出ました!」なんて丸く収めても、本心でない場合も多く、その場しのぎの発言も数多くあります。 以前、こんな話を聞いたことがあります。
ある企業で、社長交代がありました。 新しく社長に就任したのは、前社長の息子です。 ところが、息子が社長になっってからというもの、業績が落ちっぱなしなのです…。 あれも、これもと、いろいろな手を打ちましたが、業績が回復する兆しはありません…。
困った社長は、一か八かある行動に出ます。それは、社員にかける言葉を変えたのです…。
「そんなことで、業績が上がるのか」と、思う人もいるでしょうが、業績が上がったのです。
要は、社員にかける言葉を変えることで、社員がやる気になって仕事をするようになれば、業績は確実にアップします。
さて、その言葉とは、「なら」と「しか」です。
ならとは「この仕事は、◯◯さん“なら”できる」、しかとは「この仕事は、◯◯さん“しか”できない」です。 徹底して、この二つの言葉を使うようになっただけで、みるみる業績が回復して、半分にまで落ち込んだ業績が元に戻ったというのです。 嘘のような本当の話です…。
実は、このほかにも、人をやる気にさせる言葉があります。 今から数年前のことになりますが、新潟県では有名な企業の会長から電話がかかってきました。
以前から面識があったのですが、社員研修を頼みたいということでした。
数日後、この会社の会長を訪ねました。
「実は、研修をお願いしたいと思っているんだが…、研修内容は営業力の強化なんだが…。営業といえば、長谷川さんだと思って連絡したんだ」と。
このひとことが嬉しかったのは、言うまでもありません。
先程の「なら」「しか」も人を動かす強力な言葉なのですが、「◯◯さんなら、□□□でしょう!」も、人を動かく強力な言葉です。 この言葉を使うことで、言われた人はやる気になります。 しかも、お金もかかりませんし、時間もかかりません。 唯一、相手をよく観察する必要があります。 そして、相手の長所や強み、得意なことなどを把握すればOKです。
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