「なんでこんなこともできないんだ!」。
今はこのようなセリフを口に出した途端、パワハラだと言われるのがオチなので簡単に口には出せないが、そう思われても仕方ないよなと感じてしまう人もいる。何回、指摘されても自分を変えることができない…。そこで今日は、人間は変われるのかをわかりやすく解説する。
約束の時間を守れない人、勉強しない人、続けられない人、そしてコミュニティのルールを守れない人など、ほかの人からみたら当たり前のことができない人は必ずいる。会社であれば、このようなことが度々起これば上司が厳しく注意するが、注意してから2~3日はなんとかなるが、いずれ元に戻ってしまう。
結局は一時的な効果しかない…。
これを何回も、何十回も繰り返すことになる。こうなると、注意する立場の上司も根負けする。「またか!」とは思うものの、もう注意するのも嫌なのだ。
しかし、世の中にはマネジメントの神様がいる。
「やる気」を鼓舞したり、「成長」を促したり、「説教」したりしても効果がないことを重々承知している。彼らは、人間を変えることがいかに難しいのかをよく知っている利口な面々だ。自分のことを考えればわかるが、簡単に意識が変わったり、モチベーションが高くなることがないから、このようなことに注力しても無駄な苦労になる。それでも私たち人間は、人間は変われると考えてしまう。
では、有能なマネジャーは、どうやって部下を変えたのだろうか?
彼らやるのは、部下を変えようなとと微塵も考えていない。「ルール」や「ツール」を変え
たり、場合によっては、配置や職種を変えた。これは人間を変えようという発想ではなく、環境を変えるという発想だ。つまり、人以外の要素を変えた。
ここで間違ってほしくないことは「部下が変わらないのは、上司である自分の力不足だ」と思うことだ。こうなると自分を責めてしまう。確かに、上司は部下を指導する義務があるが、性格や人格を変えるのはどう考えても無理がある。
つい先日、このような記事を読んだ。
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■「勤勉さ」は後天的に鍛えることができないと知って。
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この記事で、慶大教授の安藤寿康さんの著書『能力はどのように遺伝するのか「生まれつき」と「努力」のあいだ』が紹介されていた。即、購入したのは言うまでもない。安藤教授によれば、行動遺伝学の研究から「勤勉さ」「外向性」「開拓性」「神経質」「同調性」な
どの個性は、遺伝による性質で学習によって変えられるものではない、ということなのだ。
私は衝撃を受けた。
「生まれつき」を「非学習性の心的機能」、つまり経験によって学習することができない心の働きと考えると、神経質や外向性などの個性はこれに相当するという。問題は、なぜこれらを学習することができないのかだ。その根拠となるものは、共有環境の影響がみられないからだ。個性は学習できないから、能力ではなく、非能力だと安藤教授は言う。
つまり、「◯◯を毎日続ける」などというような勤勉性は鍛えることはできないということになる。ただし、特定の状況に置かれたときに、その状況に適応するために意識的にコントロールすることはできるという。しかし、環境が変わってしまうと、元に戻ってしまうということだ。
私は他人に比べ、「◯◯を毎日続ける」ことは、まったく苦にならない。
だから、そのために自分と葛藤したり、心をコントロールして消耗することもない。そのほか、外向性の高い人は頑張らなくても他人とコミュニケーションできるが、遺伝的に外向性の低い人は、常に葛藤しながらコミュニケーションしなければいけない。
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