営業の世界で結果を出すためには、しばしば「スキル」や「戦略」が重視されます。
しかし、心理学の研究から得られた意外な事実は、「自分のためではなく、他者のために行動する」という自己超越的な目標が、成果に大きな影響を与えるということです。
この考え方を営業の現場に持ち込むと、実に興味深い結果が得られるのです。そこで今日は、自己超越的な営業についてわかりやすく解説します。
テキサス大学のデビッド・イェーガー博士の研究は、このアプローチの効果を証明しました。彼の研究では、学生たちに「世界をより良くするためにどう行動すべきか?」という質問を投げかけ、自己超越的な目的を持たせたところ、成績が飛躍的に向上したのです。
この研究は営業マンにも応用可能です。
実際に、多くの営業マンは目先の売上目標や自分の成果に囚われがちですが、視点を「顧客のためにどう貢献できるか」に変えることで、成績が改善するケースが多数報告されています。
ある中小企業では、営業マンに「顧客の問題解決」を第一の目標に掲げさせるトレーニングを実施しました。具体的には、ある製品が中小企業のお客様の業務効率を向上させるものであれば、その先にあるお客様の成功や、その企業が地域社会に与えるポジティブな影響について思いを馳せることができます。こうした視点を持つことで、より深いレベルでお客様とコミュニケーションを取ることが可能になります。
自己超越的な目標を設定する手順を紹介します。
1.顧客の課題をリサーチする
営業に臨む前に、顧客の業界や抱える問題をリサーチし、「この顧客のために何ができるか?」を常に考えます。営業のミーティング時には、単に商品の説明だけでなく、顧客が現在抱えている課題に焦点を当てて、解決策を提案します。
2.自己超越的な目標を設定する
自分の売上や成績にこだわるのではなく、「この商談でどのように顧客に価値を提供できるか」を明確に意識します。これにより、提案の質が高まり、顧客の信頼を獲得しやすくなります。
3.フィードバックを重視する
商談後には、顧客からフィードバックを積極的に求め、そのフィードバックを基に次の提案や改善策を考える習慣を持つことで、長期的な関係を築いていきます。
4.感謝の気持ちを忘れない
顧客との関係を深めるために、常に感謝の気持ちを伝えることを心がけます。たとえ商談がうまくいかなかった場合でも、その経験を次に生かし、顧客に対して「感謝」を伝える姿勢を持つことが大切です。
5.自己成長に対しても責任を持つ
自己超越的な目的を持つことは、結果として自己成長にもつながります。営業マンとしての成績が上がるだけでなく、顧客や社会全体に対する責任感が強くなり、自分自身のモチベーションも持続します。
実際、自己超越的な目的を持つことが営業成績に与える効果は、統計的にも明らかです。
ある調査では、顧客中心のアプローチを実践している営業マンは、そうでない営業マンに比べて成約率が30%高く、リピート率も40%上昇することが示されています。さらに、このアプローチを採用した企業の営業チームは、チーム全体のモチベーション向上にも寄与しており、離職率が大幅に低下したという結果も報告されています。
営業という仕事は、数字だけでなく感情の仕事でもあります。 多くの営業マンは、結果が思うように出ないと自信を失ったり、プレッシャーに押しつぶされそうになることがありますが、そのときこそ「自分のためではなく、誰かのために働く」という視点を持つことで、モチベーションを維持できます。
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