「企業理念」や「ミッション」が重要だという企業経営者は数多くいます。
今や企業理念など必要ないという経営者を探す方が大変かもしれません。そこで今日は、企業理念の必要性についてわかりやすく解説します。
世界的に物価が高騰し、冬の光熱費がいくらになるのか心配だという人も増えています。
おまけに日本は、給与が上がる気配がありません…。このような状況のなか、消費者が商品を購入する価値も変化しています。
私は時々、スーパーに食料品を買いに出かけます。
食料品の価格高騰や値上げは、鈍感な私でも気づきます。かつてのように、食べたいものを買い物カゴにポンポン入れるわけにはいきません。食べたいという欲求よりも、値段の方が優先してしまいます。
ドイツの統計結果を見ると、ロシアのウクライナ侵攻前の2022年2月末~3月上旬にかけてのアンケートでは、食品を買う基準は「味」と答えた人は93%、「価格」と答えた人は47%でした。ところは4ヶ月後の7月では、「価格」が67.4%で「味」が44%と逆転しました…。日本でもそう変わらないと思います。
コロナ禍以前は、消費者は「企業理念」や「ミッション」に共感して商品を買うという考え方がまかり通っていました。「ストーリーブランディング」や「物語性のない商品は売れない」などと言われていました。ところが、度重なる物価高騰で、そんなこと言ってられないという意見も見受けるようになってきました。
ドイツ在住のフリーライター雨宮紫苑さんが興味深い記事を執筆しています。 ■たいていの一般人は買い物には「コスパ」が重要で、企業の理念になんて、 これっぽっちも興味がない。
そのなかで…
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ナイキのスニーカーを買ってる人って、ナイキの企業理念に賛同して、
それを本気で信じてるからなの!?
……正直、「そんなわけねーよ」って思う。
「ナイキ」というブランドを愛してやまない人がいるのは承知しているし、
特定ブランドが好きな気持ちはわかる。とはいえ実際、
そういう「ブランドへの共感」より、
単純に「有名だから品質がよさそう」「履き心地がいい」といった理由で
選んでいる人のほうが多いんじゃないだろうか。
わたしはもう何年も、ユニクロのリラコ(ステテコ)を愛用しているが、
ユニクロの企業理念なんて知らないし、興味もない。
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つまり、企業が思っているほど消費者は、「ストーリー」なんか意識していないということなのです。それよりももっと大事なものは「コスパ」ということです。もちろん、贅沢ができる時代ならば、「ミッションに共感した」「ブランドのストーリーに共感した」という消費もあります。しかし、多くの消費者はそんなことはどうでもいいかもしれないという話です。
ただし、企業理念やミッションは、社内を統一するために有効なのは確かです。
「自社は何のために存在するのか」「自社は事業活動を通じてどのような社会を実現したいのか」などを明文化することによって、社員のモチベーションが高まったり、ミッションに共感して入社を希望する社員もいます。
この記事にはこんなことが記してあります。 ■普通の客は「企業理念」なんかどうでもいいのに、なぜ社長はそれを欲しがるのか。
ノーベル経済学賞を受賞したるダニエル・カーネマンは「ビジョナリー・カンパニーは嘘っぱち」とはっきり述べています。「ビジョナリー・カンパニー」で調査対象になった卓越した企業とそうでない企業との収益性と株式リターンの格差は、調査期間後には縮小し、ほとんどゼロに近づいています。つまり、自社の存在意義やビジョンは重要ですが、業績に影響を与えるのは、やはり事業と商品だということです。そして、消費者にとって企業理念やミッションはあればいいというほどのもので、事業と商品の力を上回るほどのパワーはありません…。
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