私が会社員をしていた1990年代、百貨店やスーパーの夏冬のセールやバーゲンのスタート時期が、どんどん早まっていました。
たとえば、夏のファッションバーゲンだと、7月中旬くらいからスタートするのが常識でした。
それがどんどん早くなり、6月20日頃からセールやバーゲンが始まるようになりました。
これは、冬のバーゲンにも当てはまります。
また、おせち料理の予約も年々早くなり、特にネットショップが登場してからは、10月はじめから予約開始になるのが常識になってきました。
そのほかにも、ランドセルの販売もどんどん早くなり、イオンなどの大手量販店では8月頃からランドセルの展示が始まります。
早く展示すれば、翌年、小学校に入学する子供たちの両親や祖父母に意識づけすることができます。
そうすると、早めの購入を促すことができるのです。
その昔は、ランドセルを実際に使うのは4月なのだから、1月から展示すればいいというような時代もありました。
このパターンだと、1月~3月に販売が集中してしまいます。
一方、8月からランドセルを展示しておけば、早めに購入する人も年が明けてから購入する人もいるでしょうが、ある程度販売の平準化ができるかもしれません。
ファッションの世界をはじめとして、あらゆる業界でシーズンや男女、地域の境目がなくなりつつあります。まさに、ボーダーレス社会です。
このように、特に季節ものに関しては、早めの告知と販売促進が重要な時代となりました。
その一方で、ネットショップがこれだけ普及したおかげで、一年中ランドセルを販売しているショップ、一年中クリスマス用品を販売しているショップなど、本来季節ものである商品なのに、一年を通じて販売しているショップも登場してきました。
さて、このような動きは、自動車業界でも盛んになってきました。
たとえば「車検」や「12ヶ月点検」です。
車検は車を購入した「ディーラー」「中古車販売店」「自動車整備工場」などから、ハガキで車検の案内が届きます。
その昔は、車検満了日の2~3ヶ月程前に車検の案内ハガキを出せば済んだのですが、今はそうではありません。
車検満了日の6ヶ月前にハガキを出します。
さすがに6ヶ月前ですから、予約する人はごく稀です。
次に3ヶ月前に、車検満了日まで3ヶ月を切りましたというハガキを出します。
この段階で、予約をするお客様もいますし、何の反応もないお客様もいます。
ですから、ハガキを出した後、一人ひとりの顧客に電話をかけて、ハガキが届いた確認と
予約を促すことを行います。
ハガキでは、なかなか反応しづらいのですが、電話がかかってくることにより、反応がしやすくなります。
ハガキのような一方通行の媒体ではなく、電話のように会話が成立する媒体だと、相手の背中を押すこともできるのです。
これが、ハガキなどの営業ツールと対面や会話の大きな違いです。
電話をかけても、なかなか電話がつながらないという顧客もいます。
そこで、車検満了日の1ヶ月前になったら、車検満了日まで残り30日を切りましたというハガキを出します。そして、電話をかけるのです。
ディーラー、中古車販売店、自動車整備工にとって車検は、顧客維持のための生命線です。 ですから、すべての顧客の中で、何割の顧客が車検をしているのかが経営を左右するのです。 そういう意味では、車検という制度は自動車業界を守っています。 もし、車検がなくなったら・・・。
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