ロシアのウクライナ侵攻以来、光熱費や原材料費の高騰が続いています。
これは日本だけでなく、ヨーロッパを中心に世界的な現象です。あらゆるものが私たちの家計を圧迫しているのが現実です。企業は、原材料費などの高騰を価格に転嫁しなければ、経営が苦しくなるばかりです。そこで今日は、印象の良い値上げの方法についてわかりやすく解説します。
弊社クライアントは、建築関係の企業が数多くあります。
建築資材や原料は、度重なる値上げを余儀なくされています。具体的には「木材」や「鉄」などです。もちろん、コロナ禍の影響もあります。鉄はコロナ禍以降、5~6回も値上げをしています。
値上げを強要される顧客も大変なのですが、値上げを依頼する企業も心が痛みます…。
なぜならば、好んで値上げをお願いしているわけではないからです。今回の値上げはコロナ禍とロシアのウクライナ侵攻によるものだということを多くの人が理解していますが、度重なる値上げとなると「またか!」という感情が湧いてきます。
企業経営で難しいのは、価格設定はもちろんのことですが、やはり値上げです。
どの程度値上げをするのか、どのタイミングで値上げをするのか難しいところです。値上げの方法には、印象の良いやり方と印象の悪いやり方があります。わかりやすいのが食品です。食品メーカーや飲食店などが値上げを行う場合5つの方法があります。
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1.サイズを一回り大きくしたり、量を増やしたりして堂々と値上げをする。
これが一番印象の良いやり方です。
2.サイズも量も同じまま値上げをする。これが二番目に印象の良いやり方です。
3.価格はそのままでサイズを小さくしたり、量を少なくする。
これは印象の悪いやり方です。
4.サイズを小さくしたり、量を減らして値上げする。
これは3よりも印象の悪いやり方です。
5.品質を下げる。これは顧客満足度が大きく下がり、信頼も失うことになります。
一番印象の悪いやり方になります。
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私は会社員時代、総合量販店に勤めていましたが、その時、食料品の惣菜部門が値上げこそしませんでしたが、品質を下げたことがあります。詳細は忘れましたが、経営幹部からコストダウンの指示があったのだと思います。惣菜は揚げ物用油を変えるだけで相当なコストダウンができます。また、揚げ物用油の交換頻度を低くすることでもコストダウンができます。
しかし、揚げ物の命は油です。品質の悪い油を使うと揚げ物はまずくなってしまいますし、カラッと上がりません。特に惣菜は、ちょっとした味の変化もすぐにわかってしまいます。ですから、今までよりも品質の悪い材料を使ったり、味を変えるとすぐに顧客に気づかれます。
そして、味の変化はどちらかといえばネガティブな印象を与えることの方が多いようです。人間は、現状維持バイアスがありますから、新しい味よりもいつもの味の方が美味しいという意識が働きます。
このように、品質を落とすことは企業経営において絶対にやってはいけないことです。
品質を落とすくらいなら、品質を高くして値上げをした方が何倍もマシです。これは、肝に銘じてください。
今回は、食料品をたとえに値上げのやり方を5つ解説しましたが、これ以外にも値上げの方法はあります。様々商品が値上げラッシュですので、異業種商品の値上げのやり方を研究するのもおもしろいかもしれません。
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