創業したての頃は、経営者1人または数人の従業員で事業を営む場合がほとんどでしょう。
運転資金も限りがありますし、これから事業をスタートさせるということもあり、売上予測などさしてあてになりません。
本当のところは、やってみないとわからないからです。
順調に業績が伸びていけば、必ず人材を採用しなくてはいけなくなります。
既存の従業員だけでは手が回らなくなってくるからです。
このような状態を長く続けていると、従業員も疲弊してきますし、ストレスも溜まってきます。その結果、辞めていく社員も多くなるでしょう。
一般的に仕事のキャパは、社長と従業員では大きく異なります。
そもそも社長は自ら創業したわけですから、会社のためならば時間を気にせずにいくらでも働けます。ところが、従業員はそうはいきません。
人材が不足するということは、従業員数に対して仕事量が多過ぎるのか、それとも仕事の効率化が図れていないかのどちらかです。
経営者にとって、ここで一番の問題は、新たに人材を採用するかしないかです。
というのも、人材が不足しているというのは、たまたま今忙しくてしばらくすれば暇になるという可能性もあります。
恐らく1年を通じて忙しいという企業は少なく、どうしても季節ごとに繁忙期があったり、閑散期があったりします。
繁忙期に合わせて社員を採用してしまうと、暇になった時に余剰人員が出てしまいます。
ここの判断は非常に難しいのです。
では、どうしたらいいのでしょうか?
今までの話は、忙しいから新たに人材を採用するのか、しないのかという意思決定です。
ですから、事業活動の結果として忙しくなったうえでの採用です。
一方、これとは異なる人材採用の考え方があります。
もっと事業を大きくしたいという場合には、戦略的かつ積極的に人材を採用していく必要があります。
たとえば、「もう少し忙しくなって、仕事量が増えたら人材を採用しよう」と考える経営者は非常に多いことでしょう。
ですが、忙しくなったら人材を採用するのかといえば、できないというのが現実です。
というのも、忙しくなったとしても仕事量には限界があります。
つまり、現在の人材でできる仕事量は限られるということなのです。
ですから、現在の人材でこなせる以上の仕事依頼があったとしても、限界以上は受注できないということになってしまいます。
ということは、人材を採用することにはなりにくいのです。
これは、卵が先か鶏が先かの話になりますが、忙しくなって仕事量が増えたら、人材を採用するのではなく、先に人材を採用することによって数多くの仕事を受注できると考えた方が正解です。
ですから、先行投資のような感じにはなりますが、人材戦略から考える業績を伸ばす方法は、これ以外にないと私は思っています。
結局のところ、売上を伸ばしてから人材を採用するのか、人材を採用してから売上を伸ばすのかという大変シンプルな話なのですが、あなたが経営者ならばどちらを選びますか?
ここに経営者の考え方や哲学が現れます。
どちらが良い悪いではありませんが、自社で取り扱っている商品やサービスが非常に優れていて、大いに世の中の役に立つのであれば、事業を拡大すべきだと思います。
その時に問題になるのが、今日紹介した人材を「いつ」採用するのかということです。
難しい問題なのですが、成長している企業は必ず考えなければいけません。
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