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執筆者の写真社長の大学★長谷川博之

営業の基本は小学校の◯◯◯で教わった


心理学で「ザイオンス効果 (単純接触効果) 」と呼ばれるものがあります。

ザイオンス効果とは、繰り返し接すると印象や好感度が高まり関心の度合いが高まるというもの。そこで今日は、ザイオンス効果についてわかりやすく解説する。



これは、ポーランド出身の心理学者ロバート・ザイオンスの論文によって発表された効果であり、彼の名前から「ザイオンス効果」と呼ばれるようになった。一番わかりやすいザイオンス効果は広告だ。自社の商品やサービスをまったく知らない客層に対して、繰り返しアプローチをして次第に関心を高め、購買にまで結びつけるというのいうのがザイオンス効果を利用したものだ。


ザイオンス効果の大きな特徴は、対人による接触だけではなく、ネット広告やチラシなどによる間接的な接触であっても同じ効果を得ることができる。



そして、ザイオンス効果を活用するポイントは、接触の時間や内容ではそれほど効果に大きな違いは出ず、接触回数が重要であり、短期間でいかにして多くの接触を持つかということの方が重要視されている。そのため、広告であれば頻繁な露出を重視して、マーケティングを行っていくのがこの手法における特徴と言える。



このように、ザイオンス効果は日常茶飯事のように使われており、知らず知らずのうちに商品を買っているなんてことも多い。



私は小学生の頃、よくザイオンス効果を経験した。

小学生の時、新しい学期を迎えると恒例の行事として「席替え」があった。誰しもが経験したことがあるだろう。隣の席はいつも女の子だったが、否応にでも話をしなければいけなくなる。そして、毎日顔を見て話をしていると、不思議なことに好感を抱くようになり、

好きになるケースが多々あった。実は高校生になってからもそういう経験をしたことがある。



ここで注目しなければいけないのは、それまで席が離れていた時は、まったく気にも留めていなかったことだ。これも一種のザイオンス効果と言える。これと同じことが、営業活動にも当てはまる。



たとえば、飛び込み営業をやったとする。1回飛び込んだだけでは、相手はあなたの顔を憶えることは絶対にない。悲しいかな、2回目も3回目もそうだ。ところが、4回目を過ぎた頃から、相手はあなたのことを認知し始める。「どうやらこの人は定期的に訪問してくるようだ」と。



そして、5回~6回目の訪問になると、相手の態度が変わったことがあからさまにわかる。それまで、怪訝そうな顔をしていたのに、「いつもお世話になっております」とか、「いつもありがとうございます」と、普通に対応してくれるようになるのだ。私の経験から、6回以前と6回以後では、相手の態度は雲泥の差だ。



頻繁に顔を出すなんていうのは、時代遅れと言われている「昭和の営業スタイル」かもしれない…。しかしSNSでも「毎日コメントしてくれる」「毎日いいねをしてくれる」「ダイレクトメッセージで挨拶をしてくれる」など、コミュニケーション手段は違えど、頻繁にやり取りする人と仲良くなる。これは、人間の本質だ。どう考えても、月に1 回コメントしてくれる人と毎日コメントしてくれる人では印象は大きく異なる。



このザイオンス効果を活用したコミュニケーションが、営業の基本だといっても過言ではない。効率という視点で考えれば、非効率的思えるかもしれないが、結果的にこの方法が、無理なくスムーズに受注でき、顧客と長く取引することが可能だ。



また、信頼関係も厚くなる。一気にではなく、相手と徐々に打ち解けていき、最後は商談をしているという売り込みではない営業スタイルだ。営業の基本は、小学生時代の席替えで教わった。




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