報告・連絡・相談…。
ビジネスの現場では当たり前のように言われている所謂「報・連・相(ほうれんそう)」です。
いつ頃から報・連・相という言葉が使われるようになったのかウィキペディアを調べてみると、意外にもここ40年のことでした。
1982年に、山種証券社長の山崎富治さんが社内キャンペーンで始めたことが広く知られているそうです。
これは1986年に出版された山崎さんの著書「ほうれんそうが会社を強くする」に記されており、この本はベストセラーとなりました。
その結果、報連相が広まったということです。
また、発案については諸説あって、風呂で思いついたとか、ぼんやりしてるときに思いついたとか、あるいは福島中央テレビ元社長の今泉正顕さんが発案者だ、元々提唱したのは日本青年会議所会頭をしていた若き日の山崎種二さんであるという説まで、いろいろとありどれが本当なのかは今となっては不明です…。
いずれにせよ、報連相が世の中に広まったのは、1986年に出版された「ほうれんそうが会社を強くする」がベストセラーになってからということです。
具体的には、「報告は、部下が上司の指示に取り組みつつ、途中経過を報告すること」、「連絡は、自分の意見や憶測を含めない関係者への状況報告」、「相談は、自分だけで業務上の判断が困難なとき、上司に意見をきくこと」とあります。
報告と相談は部下が上司にするもので、連絡は関係者にするものです。
ですから、上司から部下にという流れでないということです。
報連相のイメージとして、「上司の状況判断に必要な、部下からの自発的な情報伝達」を習慣的に行わせるためのしつけとして捉えられている人が多いようです。
ですが、提唱者の山崎さんは、管理職が「イヤな情報、喜ばしくないデータ」を遠ざけず、問題点を積極的に改善していくことで、生え抜きでない社員や末端社員であっても、容易に報告・連絡・相談が行える風通しの良い職場環境をつくるための手段として報連相を勧めているのであって、部下の努力目標ではないということです。
この辺が勘違いされて広まったような気がします。
注目すべきは、無印良品では報連相は成果が出ないとして採用されていませんし、未来工業でも報連相は禁止しています。
未来工業では報連相をしないことが、会社が儲かるための経営戦略のひとつとして位置付けられています。
もう亡くなられましたが、未来工業の創業者「山田昭男」さんによれば、報連相の弊害をこうおっしゃっていました。 ========================================================= ●ダメな上司ほど、部下を管理したがる
上司に話すだけで、部下は萎縮します。
だから報連相は管理の始まりです。
部下は本音の5分の1も話さなくなるそうです。 ========================================================= ●嘘をついてもいいぞと言われると、真面目になる 「嘘をついてもいいぞ」言われると、日本人は真面目になります。
報連相なしだと、会社は自分を信頼してくれていると社員は思います。 ========================================================= ●管理しない方が自分の頭で考えてよく働く 報連相を義務づけられると、社員は「課長や部長もOKしたじゃないですか」と、
責任転嫁します。 これでは、社員一人ひとりの問題解決力や判断力は、いつまでたっても育ちません。
報連相がないからこそ、自分で考え、行動し、その結果を自分なりに分析できる
プロになれます。 ========================================================= このように、報連相することが当たり前の日本のビジネスの世界ですが、否定している会社もあるということです。時には常識を疑うことも大切です。時には、真意を探ることも大切です。常識に流されていませんか?
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