度々取り上げている「ターゲット設定」ですが、伝わっているようで伝わっていないというのが本当のところです。 そもそも、ターゲットというのが曖昧な言葉で、ターゲットを絞り込もうと言われても、イメージがわかない人もいるようです。 そこで今日は、ターゲット設定の重大さをわかりやすく解説します。
あなたは、コーヒーを企画・製造する飲料メーカーです。 今までは、ただひたすら美味しいコーヒーを製造することに一生懸命でした。 ですが、なかなかヒットに結びつきません…。
そこで、販路を開拓の活動をはじめました。販路さえあれば、そこそこ売れるだろうと踏んだのです。
簡単に販路の開拓ができるのなら苦労しませんが、販路の開拓は大変に難しい仕事です。
というのも、販路といってもピンからキリまであります。 「コンビニ」「スーパーマーケット」「高級スーパー」「食材専門店」「百貨店」「セレクトショップ」「テレビショッピング」「ネットショップ」など、取り扱い商品も違えば、客層も違います。 もちろん、価格も違います。
これだけの販路があるのですから、「どこを狙いますか?」ということです。 これが決まらなければ、販路開拓どころではありません。
つまり、同じコーヒーでも販路の特徴により、コーヒーの味、価格、ネーミング、パッケージなどを変えなければいけないということです。 当社はアウトドア用品を開発している企業の商品開発コンサルティングを行っていたことがあります。 販路はホームセンターだったのですが、バイヤーに高付加価値の商品を提案すると、必ず問題になるのが「価格」です。高付加価値商品のため、どうしても価格が高くなります。 そうなるとバイヤーが、「当社では、この価格では売れない…」と言います。 ターゲットと提案する商品が一致していないということです。
スーパーであれば、メインの客層は主婦です。
価格は「安値」が基本です。スーパーで、コーヒーを販売する場合、どのようなスペックのコーヒーがいいのでしょうか? 参考までに野菜であれば、スーパーは裸売りでもOKです。
百貨店であれば、、メインの客層は富裕層です。
価格は「高く」なりますね。ギフトを購入する顧客も多いので、高そうなギフト箱に、おしゃれな瓶に入った本格コーヒーが好まれるかもしれません。
さらに、「高速のサービスエリア」であれば、観光客がメイン顧客となります。 つまり、土産です。 自家需要もありますが、会社の同僚へのお土産に使うかも知れません。 つまり、一人分ではなく、数人分購入する可能性があるので、財布の負担にならないような「値ごろ感」が重要です。
このように、販路によって商品のスペック、価格、ネーミング、パッケージが、まったく異なるのが理解できると思います。 ターゲットを考える時は、漠然と考えるのではなく、販路をリストアップしてそれぞれの特徴を考慮してください。 ターゲット=販路が決まれば、おのずとどのような商品を開発したらいいのかがわかります。 逆に、ターゲットが決まらないまま商品開発を行うと、まったく訴求力のない商品になってしまいます。 ここを間違うと、販路と商品が乖離することになります。要注意です!
このほかにターゲット設定は「ペルソナ」を設定する方法もありますが、販路を決めてからその販路のメイン顧客を詳しく分析することをおすすめします。
また、BtoBの場合は、「売上アップ」「コスト削減」「効率化」などに関する困り事を収集したうえで、困り事別×企業規模別でターゲットを設定する方法もあります。 とにかく、困り事の解決が決め手となります。 ●株式会社リンケージM.Iコンサルティングのオフィシャルメルマガの登録はこちら。
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