コロナ禍によって、新規事業や業態転換などを余儀なくされた企業も多いかと思います。
その一方で、コロナ禍の影響をさして受けず、特に変化しなくても業績が安定している企業もあります。そこで今日は、進化と現状維持についてわかりやすく解説します。
昨年の春、「事業再構築補助金」という、稀に見る大型補助金が登場しました。第1回目の申請の際は、相当話題となり注目もされましたが、かなりハードルが高いという噂が流れ、それ以降は特に話題となることもなく、私の周りでは申請した企業は数社しかありません…。
事業再構築補助金を申請した企業を大きく分けると2つあります。まずは、今までのビジネスモデルが崩壊して、否応にでも新規事業をやらなくてはいけない企業です。もうひとつは、ビジネスモデルは崩壊しているわけではありませんが、この機会に補助金を活用して新規事業に取り組もうという企業です。前者と後者では、気持ちの余裕がまったく違います。
第2回の結果を見ると、新潟県だけで130社が採択されています。私の知っている企業もいくつかありました。たとえば、「地域コミュニティの中⼼を目指した焼き芋屋さん経営」「唯一の複合型アウトドア施設を確立しエリア観光を推進」「グリーン調達と溶接品質向上によるキャンプ用品業界への新分野展開進出計画」などです。
コロナ禍によって、「変化しなくてはいけない」という強迫観念にかられた経営者も多いことでしょう。
また、「今回ばかりは、現状維持では乗り切れない」と言う世間の潮流もありました。ただひとついえることは、コロナ禍により多くのテクノロジーが登場したことです。たとえば、ZOOMなどのオンライン会議システム、非接触型の精算システムやロボット、さらには大幅に人件費を削減できるRPA(ロボット・プロセス・オートメーション)など、自動化、省力化、非接触型のテクノロジーが数多く登場しました。この動きは今後、益々加速されるでしょう。
このように、ここ2年で世の中は大きく変化したわけですが、変化すれば良いのかといえば、一概にそうとも言えません。
進化といえばダーウィンの「進化論」が有名ですが、生物の世界では環境の変化により進化を余儀なくされた生物が多数います。ただし、忘れてはいけないのは進化に失敗した生物の方が多いということです。このことに注目せずに、変化に成功した生物だけにスポットライトが当たりがちなのが気になります。
逆に、進化せずに現状維持で生き延びている生物もいます。たとえば、「シーラカンス」や「オウムガイ」など、生きている化石と呼ばれている生物です。生きている化石とは、太古の地質時代に生きていた祖先種の形状を色濃く残している生物のことで、地層の中から発見される化石と同じ姿で現代にまで生息しているます。
生きている化石の特徴は、外敵が少なく、環境も変化しにくい場所に住んでいることです。これは大きなポイントです。環境の影響を受けないということは、ライバルも少なく、恒常性が保たれていますので自ら変化したり進化する必要がないのです。
この話を聞いたときに、進化=善、現状維持=悪のようなイメージを持っていたのですが、それが大きな間違いだということに気づきました。現実は、進化に失敗した生物もいますし、成功した生物もいます。
また現状維持で失敗した生物もいますし、成功した生物もいます。進化とはある意味チャレンジですので、成功すれば今までのステージとは格段に違う未来が待っています。その一方で、現状維持は今までのステージと同じです。誰にも見つからず、ひっそりと生きるイメージです。あなたは、どちらを選びますか?
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