営業は単なる商品の売り込みではなく、顧客の心を理解し、信頼を築くスキルが求められる。私の業界ではここ15年程で「セミナー営業」が当たり前になった。セミナー営業とは、セミナーを開催して参加者に個別相談の申し込みをしてもらうものだ。要は、セもナーというフロントエンドで集客して、個別相談で確度の高い参加者を絞り込み、バックエンドでコンサルティングを販売する。そこで今日は、セミナー営業での顧客の心をつかむ方法についてわかりやすく解説する。
ダイレクト出版のメールマガジンで、3年で売上100億円を達成したセミナー営業の成功事例が掲載されていた。この事例では、従来のセミナーは商品のプレゼンテーションが中心だったが、契約率はそれほど高くなかったという。しかし、あるセミナーで講師がプレゼンの前に自身のプロモーション動画を流したことで、契約率が3倍に増加したというのだ。これは、セミナーでのプレゼンテーション方法を変えるだけで、大きな結果が得られることを示している。
私も10年以上前に、頻繁に講演を行う先輩から指摘されたことがある。 セミナーや講演の時は、自分のプロフィールを紹介する時間は十分に確保することによって、本題の聞き方が違うというのだ。つまり、価値のある人間だと判断されれば、本題を一生懸命聞くということだ。
また、講師がプレゼン前に自身のプロモーション動画を流したことで、セミナー参加者の興味と期待が高まったということも、契約率が大幅に向上した要因だ。
このような現象を「プリフレーム」と言う。
プリフレームとは、商品のプレゼンテーションの前に顧客に与える印象や期待をコントロールする方法で、商品やサービスの価値を顧客に伝える前に、顧客の心を温め、受け入れの準備をさせるテクニックのひとつだ。
言われてみれば当たり前のことなのだが、営業マンやセミナー講師でも、慣れてきたり、著名になってくると簡単な自己紹介しかしなくなることも多い。しかし、どんなに有名になっても自己紹介などは、きっちりと行うべきだ。必ずあなたのことを知らない顧客がいるからだ。
プリフレームを実際の営業活動に取り入れる具体的な方法としては、登壇者自身の紹介動画やプロモーション動画を作成し、セミナーの導入部やプレゼンの前に流すことで、顧客の興味や期待を引き出す。そして、顧客の反応を見ながら、徐々に商品のプレゼンテーションを行い、顧客の購買意欲を高める。
このように、営業成績の伸び悩みを解消し、営業力を向上させるためにプリフレームの導入は必要不可欠であり、日常の営業活動に取り入れることで、顧客との関係構築や信頼の獲得が可能になる。意識的かつ意図的にプリフレームを行うことで、新たなアプローチとなるだろう。
また、別の視点からプリフレームの事例を紹介する。
ある高級レストランでは、メニューの価格設定にプリフレームを取り入れている。顧客にメニューを渡す前にウェイターが、①当店の料理は手間ひまかけてじっくりと仕込んでいる、②素材にもこだわっており、シェフが契約農家を訪問して自ら選んだ素材を使っている、③このような理由から価格は高めですが、それだけ価値のある料理を提供している、と説明することで顧客の価格に対する印象をコントロールしている。 この説明により、顧客は価格が高いことを理解し、料理の価値を認める傾向がある。 このプリフレームによって、価格に対する抵抗感が激減し、購買意欲を高めることができるというわけだ。 ●株式会社リンケージM.Iコンサルティングのオフィシャルメルマガの登録はこちら。
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