「やはり強みがないといけませんよね?」。
自信なさそうにポツリと、若い経営者が言いました。ひとくちに強みと言っても、考えに考えて言葉にできる場合もあるし、そうでない場合もあります。顧客がいる限り、その顧客には取引する理由があるはずです。強みを明文化できる企業は、それを知っているケースが多いということです。そこで今日は、強みは本当に必要なのかわかりやすく解説します。
そもそも、強みとは何でしょうか?
多くの場合、売り手都合の強みの場合が多いのが現実です。たとえば、「仕事が丁寧だ」という強みがあったとします。顧客にとっては、雑な仕事よりも丁寧な仕事の方が嬉しいです。しかし、必要以上に丁寧な仕事はコストがかかります。顧客が高いレベルの丁寧な仕事を求めていなければ「良いのはわかるけど高いんだよね!」ということになり、発注しないでしょう。これが、売り手都合の強みです。ですから、顧客都合で考えるなら、顧客の要求に合わせて、品質や納期の最適化ができるということです。
また、最初の取引からウン十年が経ち、何となく疑いもせずに取引が継続している企業もあります。これなど、明確な強みがあるから取引しているわけではなく、言葉は悪いですが惰性の取引です。新たな取引先を探すのも面倒なので、継続取引している感じです。それに発注も簡単です。
ここで質問です。
顧客を一社一社思い浮かべて、取引している理由や強みを知っているのか自問自答してください。意外と知らないと思います。そう考えると、最初の取引は慎重に強みなどを検討するのでしょうが、何回か取引をするとそんなことはどうでもよくなるのが現実です。
このように考えると、強みとは顧客のニーズに合致していることが第一条件です。
そして、もう一つ大事な条件があります。それは、競合との差別化になることです。顧客のニーズには応えられるが、競合も当たり前のようにできるのであれば強みにはなりません。ここが難しいところです。
では、どうしても強みがない企業はどうしたらいいのでしょうか?
まず、自社の内部と外部を徹底的に見直すことからはじめる必要があります。内部の見直しでは、自社の資源、人材、技術、プロセス、顧客対応など、あらゆる側面を再評価します。そのなかで、他社が真似しにくい独自の要素が見つかるかもしれません。たとえば、特定の社員が持つ専門知識や技術がほかにないものであれば、それを前面に押し出すことができます。
次に、外部の見直しでは、市場のニーズやトレンド、競合他社の動向を綿密に調査します。
競合他社が提供していない価値を見つけることができれば、それを新たな強みとすることが可能です。たとえば、競合他社が高品質を売りにしているが、納期が遅いという市場の不満がある場合、自社が迅速な納期を実現できるのであれば、それを強みに変えることができます。
また、強みを新たに創出するために、戦略的なパートナーシップやアライアンスを形成することも有効です。たとえば、ほかの企業と協力して新しい製品やサービスを開発し、それを共同で提供することで、単独では難しかった競争力を持つことができます。
さらに、顧客の声を積極的に取り入れることも重要です。
顧客アンケートやインタビューを通じて、実際に何が求められているのかを明確にし、そのフィードバックを基にサービスや製品の改善を行うことで、顧客満足度を高めることができます。
最後に、強みを持たないことを逆に強みとする発想もあります。
つまり、「ほかの企業と違って、特定の分野に特化していないからこそ柔軟に対応できる」というスタンスです。多様なニーズに応じたカスタマイズが可能であることをアピールし、顧客に対して「あなたのための特別なサービス」を提供する姿勢を示すことで、信頼を獲得することができます。
このような強み発見の5つ視点を忘れないでください。
新人・若手営業マンのバイブル『60秒で学べる営業スキル大全集』発売中!
営業マンの課題を解決するトピックが360個あります。
ひとつのトピックは60秒以内で読むことができます。
●株式会社リンケージM.Iコンサルティングのオフィシャルメルマガの登録はこちら。
https://www.linkagemic.com/mailmagazine https://www.linkagemic.com/mailmagazine
●YouTube「商いは門門チャンネル」の登録はこちら。
●社長の大学LINE公式アカウント! 経営に関する質問ができます! フォローはこちら!
Comments