先日、新潟県中小企業家同友会新潟支部の例会に参加しました。
この時の例会は、中小企業家同友会に入会して2年未満の会員3人のパネルディスカッションでした。
一人が40代、二人が30代です。
40代の人は代表取締役、30代の二人は取締役です。
3人とも父親が創業者で、会社を大きくしてきました。
今は時代の大転換期ですので、私も数年前から若手の経営者に学ぶということをテーマに、経営者団体に参加してきました。
理由は、これからの企業経営の中核をなすのは30~40代の人たちだからです。
パネルディスカッションに登場した3人も、創業者である父親との価値観の違いを感じているとのことでした。
中には、社内では父親と口をきかないという人もいらっしゃいました。
それを聞いた私は、笑い話ではないと思いました。
実は、私も父親と口を聞いたことがほとんどなかったからです…。
父親は材木店を営んでいましたが、私はその材木店を継がなかったので社内で口をきかないということではなく、親子で口をきかないといった方が正解です。
社内で口をきかないよりも事態は深刻です。
なぜ、このようなことになったのは定かではありませんが、物心ついた時から、このような親子関係でした。
大人になって、いろいろな人に私と父のこのような関係を話をすると、「その親子関係は異常だ」と言われます。
冷静に考えると、親子で会話がないということは不自然です。
さて、このパネルディスカッションの中で、30代のパネラーが創業者である父親のことを語っていました。
「やはり創業者は、自分で起業して、仕事を受注するわけだから、そもそもものすごいバイタリティーがある」と。
そして、俺についてこい的な雰囲気を醸し出していると…。
私も仕事柄、たくさんの創業者とお会いしてきました。
おおよそ見た感じで「この人は創業者だろう」とか、「この人は二代目だろう」ということはなんとなくわかります。
創業者に共通していることは、現場をとても大切にしているということです。
創業者ですから、創業したての頃は、現場の最前線で先頭に立って仕事をやっていたはずです。
ですから、現場にかける想いは半端ではありません。
そして、徐々に会社が大きくなり、社員も増えて、後継者にバトンタッチというパターンです。
後継者が入社して驚くのは、「給与体系」「就業規則」「労務関係」「教育」などが、ずさんだということです。
そのほかにも、社内での意思決定のルールがなかったりします。
すべて創業者が決めて、創業者のさじ加減で何とかなっていたのです。
あるクライアント先の後継者に「ボーナスの査定はどうなっていますか?」と質問したところ、「社長のさじ加減です…」という答えでした。
先程のパネルディスカッションの中で30代の若手後継者は、創業者と二代目では役割が違うのだろうとおっしゃっていました。
私もその通りだと思います。
あくまでも私見ですが、二代目は営業活動に奔走するとか、現場の仕事に奔走するということは稀です。
それよりも、先程紹介した「給与体系」「就業規則」「労務関係」「教育」などの社内整備に力を入れます。
また、今はそういう時代です。
社内整備ができていないと、採用もままなりません。
このような二代目の気持ちもよくわかるのですが、今本当に後継者がやらなくてはいけないことは、既存事業や既存商品・技術・サービスに代わる新しい事業展開をしなくてはいけないということです。
つまり、「第二創業」です。
これから5年、世の中は大きく変わります。それに対応できているのか?
そして、対処しているのか?
一昔前と違い、創業者と同じ事業をやればいい時代ではありません。
それは、すなわち死を意味します。
●株式会社リンケージM.Iコンサルティングのオフィシャルメルマガの登録はこちら。
●YouTube「商いは門門チャンネル」の登録はこちら。
Comments