成功者の多くは、自分の実力で成功したとは言いません。 むしろ「多くの人の支援や助けがあって、上手くいきました」とか、「たまたま、運が良かっただけです」など、必然よりも偶然で成功したような発言をする人が多いのです。 そこで今日は、成功は必然なのか偶然なのかをわかりやすく解説します。
このようなテーマで思い出す人物が二人います。
まずは、元大リーガーの「イチロー」です。入団当初は1軍と2軍を行ったり来たりで、1軍での成績は43試合に出場して、64打数12安打、打率.188の選手でした。 コーチからはフォームの矯正を命じられていましたが、「振り子打法」にこだわっていました。
ところが、1994年に仰木彬さんが監督に就任すると、振り子打法を尊重し、1年間、1軍で使い続けました。 そして、日本球界初となる年間210安打、打率.385で首位打者を獲得します。 イチローは7年連続で首位打者を獲得しました。
イチローは「仰木さんとの出会いがあるからこそ今の自分がある」と公言しています。 もし、仰木さんが監督にならなかったら…。 イチローはこの世に存在していなかったかもしれません。 イチローというカタカナの登録名を勧めたのも仰木監督です。
イチローと仰木監督の話を聞くと、人生は実力だけではどうにもならないということがわかります。 もちろん実力は必要ですが、それに加えて誰と出会うかの方がもっと重要かもしれません。 二人目は、天才ジャズギタリスト「ウェス・モンゴメリー」です。 ウェス以降のジャズギタリストは、ほぼすべてといってもいいほどウェスの影響を受けています。 その理由は、ジャズ界に於いてジャズギタリストとしてアイデンティティを確立したからです。
ウェスは、1948年から1950年までライオネル・ハンプトンの楽団に参加しましたが、故郷のインディアナポリスに戻ります。
1950年代は、昼は仕事を持ち、夜にライブハウスで演奏する二足のわらじの生活を続けました。
ところが、たまたまインディアナポリスで公演を行っていたジャズサックス奏者として名を馳せていた「キャノンボール・アダレイ」が、コンサートの打ち上げで地元で話題のウェスのことを耳にして、ウェスが出演している店に向かったのです。
この時、ウェスはオルガンとドラムのトリオで演奏していましたが、それを聴いたキャノンボールは腰を抜かします。
「世の中には凄い奴がいるものだ」と…。
これがウェスモンゴメリーがメジャーデビューするっかけです。 もし、キャノンボールがウェスの演奏を聞きにいかなかったら…。 イチローと同じです。
スタンフォード大学の教育学・心理学の教授「ジョン・クランボルツ」は、アメリカのビジネスマン数百人を対象に調査を行いました。 結果的に成功した人たちのキャリア形成のきっかけは、80%が「偶然」だったことを明らかにしました。 ですが、キャリアプランをもっていなかったというわけではありません。
キャリアプラン通りにはいかない多くの偶然が重なって、結果的に成功者とみなされるポジションにたどり着いたということなのです。
クランボルツはこの調査結果をもとに、キャリアは偶然に左右されることが多く、中長期的なゴールを設定して頑張るのはむしろ危険であると言っています。
そして、努力は「いい偶然」を招き寄せるための計画と習慣にこそ向けられるべきだと主張しました。これを「計画された偶発性理論」と言います。
クランボルツによれば、我々のキャリアは用意周到に計画できるものではなく、予期できない偶発的な出来事によって決定されるということです。 ●株式会社リンケージM.Iコンサルティングのオフィシャルメルマガの登録はこちら。
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