営業コンサルタント&トレーナーとして、数百人の中小企業の営業マンと接した。 営業理論を伝えることから、ロープレや同行営業などの実践、営業マネジメントに至るまで、様々な局面で中小企業の営業マンの実態を知ることができた。中小企業の営業マンの特徴として、正式な営業教育を受けたことがない人が95%以上。正式な営業教育とは、営業の「基礎」「基本」「原理原則」などのことだ。そこで今日は、営業の基礎についてわかりやすく解説する。
なぜ、そのようなことが起こるのだろうか?
私たちは常日頃、口頭でのコミュニケーションをメインとしている。何気なく行動していても、口頭でのコミニケーションだけは欠かせない。そして、営業活動の基本コミュニケーションも口頭だ。実はこれが大きな勘違いを生んでいる。
口頭でのコミュニケーションができるのだから、営業も少し勉強すればできるだろうと、安易に考えている経営者が非常に多い。その証拠が、営業マンの95%以上が正式な営業教育を受けたことがないという事実だ。つまり、基礎も、基本も、原理原則も知らないまま営業活動をやっているので、成果が出なくて当たり前なのだ。
イメージしにくいと思うので、野球を例に説明しよう。野球における基礎とは、野球を行う上での根本的なスキルや知識を意味する。たとえば、打撃、守備、投球などが基本スキルに該当する。打撃では、バットの持ち方、立ち位置、タイミングの取り方など。守備では、ボールの握り方、送球のやり方、ポジショニングなど。投球においては、ボールの握り方、投げ方、投球フォームなどが基礎スキルになる。これらの基礎スキルは、より複雑な戦術やテクニックを学ぶための土台となるのは言うまでもない。
たとえば、打者がホームランを打つためには、まず正しいバットの振り方を理解し、習得する必要がある。守備においても、ダイビングキャッチなどのファインプレーをする前に正確なボールの握り方を身に付けることが重要だ。投手が多彩な変化球をマスターするためには、まず基本的なストレートの投げ方を習得することは必須だ。つまり、基礎スキルは、野球選手が高度なプレイを展開するための基盤となる。
これらのスキルをしっかりと身に付けることで、選手はより複雑で高度なプレースタイルを発展させることができるようになる。また、基礎が不十分な場合、選手は試合でのパフォーマンスを最大限に発揮することが難しくなる。基礎はどの分野においても重要で、基礎なくして応用もない。
北島康介さんを育てた平井伯昌(ひらい・のりまさ)コーチは、「基礎は自分の頭からは生まれない」と言っている。これは、①基礎は学ばない限り身に付かない。②その上で自分なりの工夫やアレンジをする。最初から、自分なりの工夫やアレンジをやろうとしたり、応用スキルを取り入れても薄っぺらになってしまうのがオチだ。
日本の伝統芸能や武道では「守破離」という考え方がある。
これはスキルや知識の習得プロセスを表す言葉で、初心者から熟練者へと成長する過程を3つの段階に分けたものだ。
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①「守」…基本的なスキルや規則、形式を正確に学び、
辞書や教科書などの教えを忠実に守り、基礎スキルや知識を身に付ける。
②「破」…基本から一歩進み、既存の規則やスキルを超えて、
より深い理解と個人的な解釈を発展させる。
③「離」…師匠や伝統形式から完全に離れ、独自のスタイルやスキルを確立する。
完全な創造性と自己表現が求められ、その分野において真の達人となる。
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「うちの営業マンはなかなか営業目標を達成できない」と言う中小企業経営者がいるが、もし営業マンに正式な営業教育を行っていないとしたら…。営業目標を達成できなくて至極当たり前である。
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