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執筆者の写真社長の大学★長谷川博之

比べるという発想!だからおもしろいんだ!

昨年の12月のことになりますが、福島県のクライアントから「ゆべし」をいただきました。

ゆべしとは、和菓子のことで、日本全国で食べられているようです。


西日本のゆべしは柚子を使った和菓子ですが、東北や北関東のゆべしはクルミを使った餅菓子です。

柚子を使わなかった理由は、柚子の産地から距離があったため、材料として入手しやすかったクルミを入れるようになったということです。


これまで自分の意思でゆべしが食べたいと思ったことは1度もなかったので、「子どもの頃、食べたことがあるなぁ…」と思いながら、ゆべしをいただきました。

3種類のゆべしが入っている箱詰めでしたが、どれも大変に美味しくいただきました。

私の妻も、長男も、このゆべしの大ファンとなりました。


このゆべしは、「かんのや」というお店の商品です。

恐らく、福島県内で知らない人はいないほど有名なお店だと思われます。

ホームページを調べてみると、郡山市を中心に単独店舗を8店舗出店しています。

そのほか、全国の百貨店で販売されています。


冷静に考えてみると、メイン商品がゆべしでこれだけの店舗があるというのは凄いことです。

それだけ福島県人は、ゆべしが好きなのでしょうか。 その後も、かんのやの店舗に買いに行ったこともありますし、高速磐越道の磐梯山サービスエリアのお土産コーナーで買ったこともあります。


それからというもの、なんとなくゆべしに興味を持ち、山形県、群馬県、仙台のゆべしも買ってみました。

ですが我が家では、やはりかんのやのゆべしが一番美味しいという評判です。

このようにゆべしといっても、都道府県やお店によって随分味が違うことに気づきました。


食品は食べ比べをすると、それぞれの特徴や個性がわかって楽しいと思いました。

ところが、食べ比べとか、飲み比べというような商品がないのが現実です。

私の大好きな日本酒も、時々小瓶の5本セットで飲み比べなんていう商品もありますが、滅多に見ることはありません。



メーカーである酒蔵が飲み比べセットを企画すると、自社の酒蔵で製造している日本酒だけになってしまいますが、卸売や小売店が飲み比べセットを企画すると、様々な酒蔵の日本酒をセットにすることができます。

私は、原酒が大好きですので、原酒の飲み比べセットがあったら確実に購入します。


食べ比べセットで思い出したのが、九州にある「ハローデイ」というスーパーマーケットです。

このスーパーでは、「馬刺しの食べ比べセット」という商品があるそうです。

九州では馬刺しを食べる機会が多いので、このような食べ比べセットが人気なのです。 産地が違う、育て方が違う、馬の種類が違うなどで、食べ比べセットを企画するといいと思います。


このようなものは、音楽の世界でも可能です。 たとえば、モダンジャズの名演が多い「枯葉」という曲があります。

これは様々なアーティストが演奏しています。

いろいろなおもしろいと思います。

これは聞き比べになります。

ジャズ好きは、自分で曲をセレクトして聞き比べをしている人も多くいます。


このように、比べるという視点で商品を編集するということは、「違いを楽しむ」という発想になります。 違いを見つけて、その中で自分の好みのものを発見する楽しさです。

なんでもそうですが、ひとつの商品だけを使っていたのでは、良いのか悪いのかがわかりません。ある意味、損をしている可能性があります。



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