仕事柄、「目標の立て方」を質問をされることが、時々あります。どのようにして目標を立てたらいいのかは人それぞれなのですが、正解がないというのが本当のところです。そこで今日は、目標の立て方についてわかりやすく解説します。
もう数年前のことになりますが、マネジメントに関するセミナーに参加しました。そのセミナーでは目標の立て方についてのレクチャーもありました。それにセミナーによれば、目標を達成できるケースと達成できないケースについてのデータがあると言うのです。
目標達成できる企業は、対前年比120~125%程度の目標を設定しているそうです。
一方、目標を達成できない企業は対前年比105%程度の目標なんだそうです。一体、この違いは何でしょうか?
一般的に考えると、105%より120%の方が達成が難しそうです。ですが、結果は120%の方が達成できるというから不思議です。理由は、目標が対前年比120%以上になると、今までと同じやり方では到底達成できそうにありませんから、今までと違う戦略や方法を考えます。
ところが、目標が対前年比105%程度だと今までと同じ戦略と方法をやります。少し行動量を増やせば達成できるだろうという甘い考えになってしまいまいます。その結果、対前年比100%を割ってしまうことも起こります。人間の心理というのは不思議です。ちょっとした違いで、意識の持ち方が変わってしまいます。
このように、少し高めの目標を設定した方がブレイクスルーが起こり、目標を達成できる可能性があります。ただし、目標があまりにも高過ぎると最初から諦めムードが蔓延するので気をつけてください。
また、それ以前にメンバー全員の意識が目標達成に意欲的で、前向きな行動をすることが条件です。数値目標だけ120%にしたところで、メンバーのモチベーションが低かったら達成は不可能です…。
目標の立て方にコツがあるとすれば、 ①ブレイクスルーが起こりそうな数値目標を立てること、②そこに関わるメンバーの意識を高くするの2点が重要です。そして、今までの延長線上で行動量を増やせばできそうな目標に対しては、気が緩む可能性が高いので、しっかりした行動計画とメンバーのモチベーション維持が重要になります。
さて、企業の中には数値目標を持たない会社があります。有名な企業では、「かんてんぱぱ」でお馴染みの伊那食品工業です。数値目標のない企業は滅多にありませんが、目標がなくても増収増益を続けているのですから、何らかしらの秘密があるはずです。
また、銀座まるかんの斎藤一人さんは、目標の立て方に正解はないと断言しています。とにかく行動して改良することがポイントで、斎藤さん自身、目標を立てたり、上手な行動計画について一度も考えたことありません。唯一コツがあるとすれば、とにかく改良することのおもしろさを知ることです。
そして、自分も楽しいし、周りも楽しいことをやることも重要だと言っています。自分は楽しいが、周りは楽しくないというのは、どこか間違いがあるので改良の余地があります。
さらに、小林正観さんは、自ら目標を立てる必要などなく、頼まれ事があったらそれを淡々とこなしていくことで充分だと言っています。目の前に起きた障害を障害物競走のように次々と楽しみながらクリアしていくことや、起こった問題をおもしろがって解決するのだそうです。まるでゲームのようです。
最大のポイントは「楽しかった」「面白かった」「よかった」など、ポジティブな言葉として発することです。目標を持つのも正解、目標を持たないのも正解ということです。人それぞれ、企業それぞれです。あなたはどちらですか?
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