経営理念を作ったのはいいが、社内に浸透しないというのはよく聞きます。 せっかく時間をかけて経営理念を作っても、これでは社長の自己満足になってしまいます。
そこで今日は、経営理念が浸透しない理由をわかりやすく解説します。
経営理念を作る動機は経営者によってそれぞれですが、「社内が一つにまとまる」「チームワークが高まる」などが、代表的なものです。 随分前のことになりますが、鳥貴族の大倉社長が経営理念を作った動機をブログで語っていました。
鳥貴族といえば、全国展開している焼鳥居酒屋チェーンです。 店舗数が増え、社員もアルバイトも増えてくると、会社の土台となる哲学や行動指針が伝わらなくなります。
また、一度も会ったことがない社員やアルバイトも増えてきます。
益々、社長が何を考えているのかが伝わりにくくなります。
それまでは、経営理念を明文化していなかったのですから当たり前の話なのですが…。
大倉社長曰く、このまま明文化された経営理念がないまま店舗と社員が増え続けたら、各店舗、各社員が好き勝手に仕事をしてしまうという危惧を感じたようです。
至極真っ当な理由で経営理念を作ったということです。
中には、「売上が伸びる」ということで経営理念を作る経営者もいるようですが、社内に浸透して社員がやりがいを持って仕事をすれば、結果的に売上が伸びるということは考えられますが…。
残念ながら、経営理念を作っただけでは売上が伸びるというのは、経営者の都合のいい解釈です。
さて、経営理念を社内に浸透させるには、まず社長の並々ならぬ情熱はもちろんのこと、経営理念の正しい役割を認識することが大切です。
そもそも、経営理念は何のためにあるのでしょうか?
事業活動とは経営理念を実現するために行うものです。
つまり、目的は経営理念の実現であり、その手段として事業活動があるのです。
ここを履き違えると、事業活動を円滑に行うために経営理念があるというような意味合いになってしまいます。
また、経営理念を掲げていても日々考えていることは、「どうやったら売上が伸びるか?」「どうやったら商品が売れるか?」が、95%ではないでしょうか?
これでは、経営理念はあってもなくても同じです。
経営理念の役割を完全に履き違えています。
ドラッカーが、こんなことを言っています。
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組織の側に、情熱を炎を燃え続けさせる責任がある。
仕事を労働にさせてはならない。
「われわれが誇りとするものは何か」
「われわれはどのような素晴らしいこをはしたか」
を聞くことである。
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また「経営理念が浸透する」いうことはどういう状態なのでしょう?
これを明確にしないうちは浸透させることはできません。
経営理念が浸透するとは、経営理念が社員の働く目的になり、すべての行動基準が経営理念に沿っている状態です。
たとえばAmazonは、社員が新しいサービスなどを提案する際、「この提案は企業理念を実現できる」というようなことをプレゼンの際に言います。
それほどまでに、経営理念に沿った仕事をしているということです。
まさに、正しい経営理念の在り方です。
現実的な浸透方法としては…、
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①経営者か経営理念を社員に伝える
②社員が経営理念を意識する場を作る
③経営理念実現への貢献を評価基準に取り入れる
④経営理念実現のために何をやっているかを社内で共有する
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つまり、経営理念を社内に浸透させるには、片手間ではどうしようもありません。
それなりの時間と労力を費やさなければ、経営理念の社内浸透は難しいのが現実です。
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