商品は時々、マイナーチェンジを行います。
マイナーチェンジとは、商品の細部の小規模な変更のことを言います。
たとえば、食品であれば、成分を少し変えた、パッケージの細部を変更したなどです。
商品それ自体に大きな影響がないので、下手をすると気づかれないこともあります。
ところが、企業側はマイナーチェンジだと思っていても、
顧客側はフルモデルチェンジに近い、大きな変更と感じていることもあります。
そこで今日は、売り手と買い手の価値観の違いについてわかりやすく解説します。
商品開発を行なっているメーカーは、定期的にマイナーチェンジをおこないます。
一番わかりやすい事例は、原材料費の値上げです。
原材料費が値上げになると、販売価格に大きな影響を与えます。
そうなると、中身を変えずに価格を値上げするのか、
中身を減らして価格を据え置きにするかの二者択一になるケースがほとんどです。
後者の場合もマイナーチェンジに含まれます。
このように、マイナーチェンジといえども、
売り手の立場になると命取りになる場合があります。
特に、価格はナーバスです。
ですから、リサーチを行い慎重に行うのが一般的です。
ここで一番の問題は、マイナーチェンジの認識の違いです。
売り手は大して販売数に影響のないマイナーチェンジだと思っても、
買い手はほかのメーカーの商品に変えるほどの重要な問題だったりします…。
妻が数年前から「クロスワードパクロス」という月刊誌を定期購読をしています。
クロスワードパクロスとは、読んで字の如くクロスワードパズルの専門誌です。
私はクロスワードパズルはやりませんが、
年に何回か妻がやっているクロスワードパズルの問題を見ると、
専門的で高度な問題が数多く掲載されています。
さて、クロスワードパクロスという月刊誌ですが、
コロナ禍の影響で配送費が高騰したとのことで、
「使っている紙を変更する」という告知があったそうです。
紙を変更するとは、紙質を落とす(悪くする)ということです。
妻によれば、それから数ヶ月度「再び、以前の紙に戻す」という告知があったそうです。
ここで質問です。
なぜ、以前の紙に戻すことになったのでしょうか?
ハードカバーの書籍にとって紙質は重要でしょうが、
クロスワードパクロスという雑誌にとって紙質は重要でしょうか…。
実は、とても重要なのです。
そもそも、再び以前の紙に戻すことになった経緯は、
読者からのクレームがあったということが考えられます。
クロスワードパクロスは雑誌に答えを書き込みます。
その時、重要なのが書き心地です。
恐らく、クロスワードパズルの回答を書き込むのは、
消しゴムで消すことができる「鉛筆」か「シャープペンシル」でしょう。
そうなると、書きやすさや書き心地は重要です。
一冊まるごとクロスワードパズルの問題の回答を書き込むわけですから、
書き心地の悪い紙と書き心地の良い紙では、気分が違います。
これは、妻に聞いた話なので確かです。
また、妻と同じような感想を持った読者が多かったということです。
実際、妻は紙質を元に戻してほしいとハガキを出したそうです…。
このように、売り手と買い手のこだわることが違うということがあります。
マイナーチェンジとはいえ、命取りになることがありますので、注意してください。
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