「人生は山あり谷あり」と言いますが、谷のときどう過ごすかが重要だ。
谷のときはどうしても前向きに考えることができずに、悪い方へ悪い方へと意識が向いてしまう。その結果、どんどん運が落ちていく。そこで今日は、運の悪いときの捉え方をわかりやすく解説する。
人生はちょっとした違いで、成功したり失敗したりする。
萩本欽一さんの著書『ダメなときほど運はたまる~だれでも「運のいい人」になれる50のヒント~』 には、参考になる話が掲載されている。
たとえば、「この仕事やってくれないか?」と頼まれたとき、「嫌です」なんて言うと、運は途端に消える。萩本さんによれば、嫌だと思うことは積極的にやると運がついてくるという。「ぜひ、やらせてください」という言葉で引き受けると人間関係も仕事も上手くいくが、すごく嫌なとき「それやりたかったんです」と無理して言うと、相手に見抜かれてしまうのがオチだ。
このようなときは「ぜ~んぜん大丈夫です」と、軽いノリで返すと運の神様は喜ぶ。
「嫌です」と「ぜ~んぜん大丈夫です」は真逆の言葉だが、いずれにせよ嫌なものには変わりない。しかし、どう伝えるのか微妙な差で、大きく運は左右する。だからこそ萩本さんは、一緒に仕事をする人の顔を見て、言葉を聞いて選んでいる。
何でも正直に、本音で伝えればいいということではない。
つまり、「ノー」と言うより「イエス」と言った方が運が良くなるということだ。
萩本さんが小さいとき憧れていたのは「江戸っ子」だった。
江戸っ子は、行動も言葉も粋だ。お金がなくてもやせ我慢して、「辛い」とか「嫌だ」という言葉は絶対に出さない。かつての下町には、良い言葉を使う大人がいっぱいたそうだ。
たとえば、子どもたちが空き地で野球をやっているとき、ファールボールが近所の家のガラスを直撃して割ることがある。昔はよくある光景だった。今であればこんなとき、「逃げたい」と思うだろうが、昔の子どもは純朴だからその家に謝りにいった。
勇気を振り絞って「ごめんなさい。ガラス割っちゃった」 とこの家のおじさんに言ったら、「ガラスなんて割れたっていいんだよ、あとで直せるから。それより今でっかい声が出たな。子どもは声のでかいほうがいいんだ。もういいから、早く帰んな」と言ってくれたという。
このとき萩本さんは「まいったね。大人はすげ~や」と感動した。
そして、僕も大人になったら、こういう言葉を使える人間になりたいって思ったという。嫌なことにぶち当たったとき、カッとして相手を非難したり、恨みごとを言ってるといい大人になれないということだ。今の世に、この江戸っ子のような大人はいるのだろうかと見渡してみたが、私も含めてこのような精神的な余裕がないというのが現実のような気がする。
そうすると、目の前に苦労してる若者がいても「俺なんかもっと苦労したんだぞ、ばかやろう」なんて言う大人になってしまう。失敗した若者を怒鳴ったり、怒ったりする嫌な大人だ。あなたが勤めている会社にも一人や二人いるのではないだろうか。これでは、自分の運も逃げていくし、若者から運をもらうことができない。
萩本さんは大人になってから、若い人にいっぱい運をもらったという。
若い子が失敗したとき、どのような言葉をかけるか気を遣った。
タレントの小堺一機さんは、もの凄いあがり症で、初めて番組に出演したとき震えて滅茶苦茶だった。萩本さんは番組が終わったあと小堺さんにこう言った。
「俺、あがる奴って好きだよ」と。
本当は「ばっかやろ~、何あがってんだよ」というのが正直な気持ちだったそうだが、小堺さんのような人は「ダメじゃないか」と怒ったり、ギャグにしてはいけないので、良い言葉をかけてあげたほうがいいのだという。
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