弊社クライアントのなかには、創業100年以上の企業が2~3社あります。
もっと幅を広げて創業70年以上になると5~6社あります。そこで今日は、長寿企業に学ぶ、企業経営で変えてもいいものといけないものをわかりやすく解説します。
何代にも渡り、事業を継続させる一番大切の条件は、後継者がいることに尽きます。
どんなに良い会社であっても、承継しなければ廃業の道しかありません。今はM&Aという手もありますが、これとて買い手があっての話です。
帝国データバンク(全国企業「後継者不在率」動向調査)と東京商工リサーチ(「後継者不在率」調査)のデータによると、企業の経営者不在率が6割程度で推移していることが分かりました。6割というのは尋常ではない数字です。
以前、新潟県に於ける創業100年以上の企業を調べたことがありましたが、ベスト10にラインクインした企業の業種は、旅館業、酒蔵、和菓子小売、食品卸売、和菓子製造などでした。言われわてみれば当たり前で、昔から日本人に馴染みのある業種です。決して、IT企業は入っていません。
長寿企業は、昔ながらの製法や味を頑なに守っているイメージがありますが、ある老舗和菓子店の社長によれば、継続するために時代に合わせて味は変えているそうです。味覚も時代によって変わるということです。
1年後は60%、3年後は40%、5年後は15%、10年後は5%、30年後は2%、50年後は0.7%、100年後は0.03%…。勘のいい方ならお気づきだと思いますが、この数字は設立された会社の存続率です。ネットで検索するといっぱい出てきます。100年残る会社は0.03%ということは、1000社設立されてわずか3件しか残らないということです。
では、200年、300年、500年と存続する企業はどれだけいるのでしょうか。
実は日本には、創業1000年以上が7社もあります。
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1位 金剛組(木造建築工事業) 創業578年
2位 池坊華道会(生花・茶道)創業587年
3位 西山温泉慶雲館(旅館)創業705年
4位 ㈱古まん(旅館)創業717年
5位 善吾楼(旅館)創業718年
6位 ㈱田中伊雅(宗教用具製造業)創業889年
7位 ㈱ホテル佐助(旅館ホテル)創業1000年
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天才コピーライター、ひすいこたろうさんの著書「3秒でハッピーになる名言セラピー」には、和菓子の老舗・虎屋のエピソードが紹介されています。虎屋は室町時代から約500年に渡り事業を継続させています。
虎屋の黒川光博社長は500年も継続した秘密をこう語っています。
「変えるものと変えてはいけないものを ハッキリさせてきたことが虎屋が500年ちかくも続いてきた大きな要因ではないかと私は思います」 と。
では、変えてもいいものとは?
黒川社長曰く、「味は変えてしかるべきだと考えています」とのこと…。
やはり前述の老舗和菓子店の社長と同じです。その理由は、味覚は生活が変われば変化するので、時代によって変えなければいけないものなんだそうです。
では、変えてはいけないものは何でしょうか?
難しい質問です。黒川社長からは意外な答えが…。
それは、「お客様への感謝の心です」だそうです。味覚のように明確のものではありませんが、これは何の商売にも共通です。お客様への感謝の心を忘れると商売は廃れます。味よりも、ブランドよりも、店構えよりも、ずっと大切なのが感謝の心です。これなくして事業の継続はありません。
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