中小企業の悩みのひとつに「社員教育」があります。 大企業は新入社員が入社すると、体系化された教育を実施します。また、外部講師によるワークショップ、OJTでの上司からのフィードバックなど、教育が充実しています。それに加えて、キャリアプランも明確ですから安心して働くことができます。一方、中小企業はそうはいきません…。そこで今日は、中小企業の社員教育についてわかりやすく解説します。
今、中小企業における最大の経営課題は、「採用」と「教育」です。
採用は、新卒と中途に分けられますが、なかなか応募がない中小企業が多いのが現実です。
弊社クライアントでは、事務職はすぐに応募があるが、管理職や営業職はまるで応募がないという会社が多くあります。
「リクナビ」「マイナビ」「インディード」「ハローワーク」「求人チラシ」「求人情報誌」など、あらゆる媒体を使って求人をおこなっている企業も珍しくはありません。参考までに、新卒採用1人にかかるコストは72.6万円、中途採用1人にかかるコストは求人広告で284.7万円、人材紹介で489.3万円です。
昔のようにハローワークに求人票を提出すれば2~3人から応募があり、そのなかから優秀な人材を採用できたなんていうのは過去の話です。今では、1年以上応募がない企業も珍しくはありません。最大の経営課題と言っている所以はここです。
さらに深刻な問題もあります。
仮に応募があって採用したとしても、半年後には退職してしまったというケースも多々あります。「求人しても応募がない→ところが久しぶりに応募があった→採用した→すぐに辞めてしまった」という悪循環なのです。
この原因を探っていくと、中小企業の社員の高齢化があります。
たとえば、大学を卒業した新卒社員を採用しました。この新卒社員の教育を40代後半の課長に任せたとします。当然、ジェネレーションギャップがあるので、仕事に対する価値観は異なります。
また、課長も部下を育成することに関して教育を受けていないので我流でやってしまいます。いまだに、「見て覚えろ!」なんていう管理職もいます。これでは若い人は育ちません。さらに、「とにかくやってみよう」「まずは自分で考えてみよう」など、今の若者にはまったく通用しないことをいってしまいます…。
このように、上司が新卒社員の目線にまで降りてこないので、新入社員は徐々にストレスが溜まっていきます。また、自信をなくしてしまいます。つまり、上司との関係性を構築できずに退職するケースが多いのです。
このようなことを回避するには、新入社員の目に見えないニーズを汲み取ってやることが重要です。「わからないことがあったら遠慮せずに聞いて」といわれても、上司が忙しそうに仕事をしていると、つい遠慮してしまいます。聞くタイミングを逃してしまうと、自分で勝手に解釈してしまい、後々ミスをすることにもつながります。そうすると、「何で聞かないんだ!」と上司に叱られるわけです。これも悪循環です。
そこで私がおすすめしてるのが、「なんでも相談室」です。 これは新入社員が「疑問に思っていること」「よくわからないこと」「困り事」など、遠慮なく質問できる場です。毎週恒例のミーティングにしてください。メンバーは、新入社員3~5人と、直属ではない上司が理想です。自由な雰囲気でできるように、上司は環境を整えるのは大事です。
日常業務の中で、なかなかタイミングが合わず上司に聞けないことは、このなんでも相談室を活用して解決します。そして、情報を共有することで、仕事をマスターするスピードが速くなります。
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